浜松市天竜区は山また山
山しか見えない風景を行くと
秘境の里、安蔵の郷についた
谷は深く緑の沢の流れが続く
今日はここからのトレッキングだ。
沢の淵から急登すると突然桜の木が現れた
もう葉桜となった河津桜と、しだれ桜の下にミツバツツジが咲く
緑をバックにツツジの色がひときわ映える
秘境の山は空気も綺麗で郷に咲く桜は美しい
山郷に咲くこの桜の大木だが
一度は弱って枯れそうだっただったが
村人が根元を火で焦がして木に刺激を与えところ
樹勢を取り戻し再生して大木となったそうである
村人に出会うと
「この上の尾根にミツバツツジが咲いているよ」
と教えてもらう
下から見上げると急な尾根の上に二本のミツバツツジが見える
近づくにはかなりの急登を強いられそう
おー、と声が出るほど綺麗な花を見て少し興奮ぎみでシャッターを切る
青い空に映えるツツジの花を見て満足して
滑り落ちそうな斜面を下った。
帰路に天竜区役所の入り口の桜を見て、
江戸時代の国学者内山真龍の資料館を過ぎ
旧陸軍中野学校の跡の石碑を見る
陸軍中野学校とは戦争のスパイ養成学校である
ここにも戦争の痕跡があり、今日の平和のありがたさを思う
天竜浜名湖鉄道の遠江二俣駅に着くと桜の向こうに夕日が沈むところだった
昔、都人は浜名湖を見て遠く離れた琵琶湖を想い 遠江と名付けたという
私は遠州と呼ぶより遠つ近江の遠江(とおとうみ)が好きだ。
最後に天竜川の夕日に輝く流れを眺めて、遠江の山郷、花の旅を終った。