光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

映画「嘆きのピエタ」を観て

2013年06月15日 | 音楽・映画

6月15日(土) 朝から渋谷のBUNKAMURAで映画「嘆きのピエタ」を観に行き、そのあと、2か月ぶりに東京国立博物館に。

いい映画と、いい作品(トーハク)を見て、充実した1日でした。

まず、映画から。  映画を見るのは是枝監督の「歩いても歩いても」以来なので5年ぶり。

きっかけは、6月14日の夕刊の映画評を読んで絶賛されていたこと、(2012年度のヴェネチア国際映画祭のグランプリ受賞作) という単純なもの。

ストーリもさることながら、私がうなったのは、映像美術。

まず見ていきましょう。  画像は公式サイトなどから、引用させていただきました。

 

冒頭、町工場で吊り上げチェーンがするすると降りてきて、車椅子に座った青年がそれを首に巻き付け、スイッチを入れてチェーンを巻き上げる・・・首吊り自殺のシーン

シーンはすぐに切り替わるのですが、この首吊り自殺が、後のストーリー展開の原点になっています。

チェーンのシーンは画像がないのですが、印象に残ったシーンでした。

ソウルの中心部にありながら、錆びれて活力を失った清渓川(チョンゲチョン)という、町工場が密集した場所が舞台。

左の主人公ガンドに、謎の女性が現れたところ。  錆びれた工場ノシャッター、絞められる前の鶏、・・・絵になってる。

 

ガンドに、30年前にガンドを産んで捨てた母親だと名乗り、許しを乞う女性ミソン。  ゴミなどで雑然とした場所が絵になっている・・・

 

ガンドの自宅玄関前で、信じられないガンドがミソンを追い払う場面。

 

ガンドを見つめるミソン。  ミソン役のチョ・ミンスも、ガンド役のイ・ジョンジンも素晴らしい演技です。

 

心を許さないガンドに携帯電話で子守唄を唄うミソン。

 

ガンドは冷酷非情な取り立て屋、零細な工場主が高利の金を返せないと、腕や足を機械で怪我をさせ、障害者にして保険金で返済させる。・・・実話だと思います。

 

そんな中、返せなくなった主人を障害者にさせまいと、身を差し出す妻。  その妻に容赦なくブラジャーを剥ぎ取って、ガンドは叩き付けます。

 

冷酷非情なガンド。  眼にアイラインを引いて強烈さが増しています。

 

障害者にするため、廃墟のビルに工場の主を連れてきたガンド。

 

それを、背後から見るミソン。   この映像もうなります。

落とした工場主の、足を更に踏みつけて折ってしまうガンド。   そのあとにミソンも来て、ミソンも工場主の足を踏みつける・・・

 

やがて、母として受け入れられ、打ち解けてくる二人。   ミソンの編んでいるのはガンドのセータ・・・違います、ラストで解ります。

 

ガンドが寝ているとき、夢精しているのを手でつかみ、洗面場で洗い流し、鏡に写った顔を見るミソン。   映像に迫力があります。

 

ガンドの心に変化が起こり始める。  取立先の青年が妻の出産で子供のため、お金が必要なので、障害者になるというと、やめておけ、子供に、ギターでも聞かせろ・・・と恩情な面を見せる。

 

そのため、高利貸の会社の社長から、首にさせられ蹴られるシーンのガンド。

 

後はラストに向かって、一気に展開。  

ラストの、夜明け前の道路に血痕を引きながら走る車を、引いたカメラで撮った映像。   詩情を感じました。

終わって、制作スタッフの名前が連綿と出てくる画面での、音楽。・・・韓国の古式の音楽だと思いますが、日本の雅楽と御詠歌が融合したような音楽に聞き惚れました。

 

いい映画だった。   キム・ギドク監督についても触れたいのですが、ここまでにします。

 

上映しているのが、東京でBUNNKAMURAの1館のみ、来週から東京で2館増えますが、全国を見ても上映している映画館が少ない。

昨年のヴェネチア国際映画祭グランプリの作品が今頃・・・と、大手の配給会社が扱わないデメリットが出ていますね。

 

最後にピエタの画像を。

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ジャズ ヴォーカルのアルバムを紹介

2008年08月27日 | 音楽・映画
少し趣向を変えて、お気に入りのジャズ ヴォーカル アルバムの紹介です。
シェリル・ベンティーンはマンハッタン・トランスファの高音部の女性メンバですが、ソロのアルバムも多い。 
この「シングズ・ワルツ・フォー・デビー 」はその中の珠玉の1枚。
1曲目の出だしから全神経が心地よく集中します。
爽やかでいて、芳醇な色気、特に、1曲目,2曲目がしびれます。
バックもピアノとベースだけで女性ジャズヴォーカルが引き立つし、録音も素晴らしい。
(ピアノはケニー・バロンです) 
曲目
1. ラスト・ナイト・ホエン・ウィー・ワー・ヤング
2. ブルー・ムーン
3. ザ・ボーイ・ネクスト・ドアー
4. アイ・マスト・ハブ・ザット・マン
5. バット・ビューティフル
6. ゾウ・スウェル
7. ホエン・ユア・ラバー・ハズ・ゴーン
8. イージー・リビング
9. イン・ア・センチメンタル・ムード
10. ストンピン・アト・ザ・サヴォイ
11. アイ・ゲット・アロング・ウィズアウト・ユー・ベリー・ウェル
12. ワルツ・フォー・デビー


しびれて寝てしまった老犬レオ、・・・ではありません。 単に御休み中をちょっと撮らせていただきました。 寝息がjazzyでした。
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スティーヴ・ライヒを聴いて

2008年07月05日 | 音楽・映画
NHK教育放送「芸術劇場」でスティーヴ・ライヒの
「ヴァリエーション・ダニエル」
「18人の音楽家のための音楽」
「ディファレント・トレイン」
を聴いた。 偶然にTVを見て、面白そうだったので
聴いてみたのだが、良かったね。 実はライヒの名
を聞くのも初めてだったけど、微妙に変化する旋律
とその繰返しで、jazzのノリのようなものを感じた。
河内音頭のノリと・・・というと怒られるかも知れ
ないが、少しずつ高揚していくフィーリング。
CD買おうかな。
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