光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

横尾忠則 寒山百得展を観て

2024年09月21日 | アート 現代美術

2023年10月、下の作品写真を、四国のブログ友の記事で見つけました。

作品の説明が無かったので、私は、すぐコメントを送りました。


トップの絵は? (te-reo)
2023-10-18 14:08:20
トップの絵に驚きました。
国宝の、久隅守景「納涼図屏風」を本歌取りしてい
ますね。なかなか、いい作品だと思います。 外国
人作家の作品と思われますが、作家名、展覧会名を
教えていただくと、嬉しいのですが。


その日、返信がきて、東博・表慶館で開催中の、横尾忠則の寒山百得展です。・・・!

 

なんと、横尾忠則の寒山百得! 外国人作家だなんて、お恥ずかしい限りでした。

前週の10月13日に、都現代美術館で横尾忠則の特集を観ていたのですが・・・・

 

 

で、2023年11月15日(水)に東博・表慶館へ。

公式サイトから

本展は、現代美術家・横尾忠則が、寒山拾得を独自の解釈で再構築した「寒山拾得」シリーズの
完全新作102点を一挙初公開するものです。このシリーズは、寒山と拾得という、中国、唐の時代に
生きた伝説的な2人の詩僧をテーマとしたものです。彼らはその奇行ぶりから「風狂」ととらえられ、
日本、中国では伝統的な画題となりました。

新型コロナウィルス感染症の流行の下、横尾は、寒山拾得が達した脱俗の境地のように、俗世から
離れたアトリエで創作活動に勤しみ、まさに時空を超越し、あらゆる世界を縦横無尽に駆け巡りま
した。描き出された寒山拾得からは、めくるめく物語が紡ぎ出されています。画家活動の最大の
シリーズとなる「寒山拾得」は百面相のように、観る人にさまざまな問いを投げかけることでしょう。

 

 

 

 

 

では作品を  作品名は、制作した年月日になっています。

〈2021-09-03〉

寒山の手にするお経は、トイレットペーパに、拾得の箒は掃除機に変身!

ン? トイレットペーパがない、大変だ―(トイレの中のように焦る) ン、右端かな

幸せそうな二人の周りには、やばそうな人も。

たどたどしく見える筆運び、横尾忠則が、朦朧体と名付けたもの。

実は、2015年に横尾忠則は突発性難聴になり、続いて右手も腱鞘炎に。

感覚もぼんやりし、手も不自由な動きになり、それで描いたものだから・・・

 

〈2021-9-9〉  

大谷翔平が描かれています。 

見聞きすることが、脳裏からキャンバスに。

 

 

 

〈2021-9-17〉  

横尾忠則は、武蔵と小次郎の決闘場面を、小さい頃に描いていて

自分で傑作だと思っています。 そのイメージが寒山拾得に置換わった。

 

 

<2022-01-29>

長谷川利行も、真っ青! このタッチ

掃除機もトイレットペーパも、もーどうでもいい感じ。

 

 

 

<2022-02-06>

赤い絨毯シリーズの始まり。

 

〈2022-03-24〉

マネの ”草上の昼食” にワープ。

看板は、虎に注意だって  

 

 

〈2022-03-28〉

横尾忠則の小説<原郷の森>から、意味ありげな文句が抜粋されて、会場の壁に貼られています。

  

 

 

 

 

<2022-04-14>

 

 

<2022-05‐01>

そして、納涼図屏風モチーフの本作品。

この作品では、腱鞘炎が一時回復したのか、朦朧体が影を潜め、見やすい。

夢ですが、トーハクで、本作品と、納涼図屏風を並べて見てみたい。

 

 

 

 

<2022-05-14>

  

 

  

 

 

 

<2022-06-23>

組んず解れつ、の曼陀羅が面白い。

 

 

会場の表慶館と、マッチしていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<2022-09-13>

東京オリンピック(2021年)の、アーティスティックスイミングの残像かな。

寒山拾得って・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<2022-12-01>

ポスターのメインヴィジュアル。

サッカーのワールドカップの時期だったので、サッカーボールだ。

 

 

<2022-12-29>

 

 

 

 

<2023-01-03>

 

 

 

 

 

<2023-01-15>

これで101作品目で、寒山拾得の、原スタイルに戻った。

ただし、衣が山水画!

 

 

<2023-06-27>

シリーズ完了と思ったら、会期直前に追加された一作。 

うーん、風神雷神図を思わせる構図、朦朧体のタッチも素晴らしい。

横尾忠則と寒山拾得百得展、色々な経緯があって、開催されたのですね。

現存作家の個展を、東博で開催するのは初めてだとか。

東博の意気込みに拍手です。 

最近のニュースとして、神戸での巡回展を終えて、本作品はすべて、東博に寄贈されることに。

(このニュースが、本ブログを書くきっかけでした)

となるとトーハクで、納涼図屏風と、横尾忠則版を並べて見られるのも、夢ではないかも。

50年後、100年後のトーハクで、人々はこの作品をどう見るのだろう? 考えると楽しい。

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ワンコ ”ニキ”の表情 | トップ | 東京富士美術館 常設展から »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ateliermusica)
2024-09-23 23:33:33
なつかしいです😂
楽しく読みました!ありがとうございます🥂✨
返信する
ateliermusicaさんへ (te-reo)
2024-09-24 14:28:14
懐かしいですよね。
私にとっては、恥ずかしさもあり、忘れられない思
い出となりました。  
返信する

コメントを投稿

アート 現代美術」カテゴリの最新記事