2023年10月、下の作品写真を、四国のブログ友の記事で見つけました。
作品の説明が無かったので、私は、すぐコメントを送りました。
トップの絵は? (te-reo)
2023-10-18 14:08:20
トップの絵に驚きました。
国宝の、久隅守景「納涼図屏風」を本歌取りしてい
ますね。なかなか、いい作品だと思います。 外国
人作家の作品と思われますが、作家名、展覧会名を
教えていただくと、嬉しいのですが。
その日、返信がきて、東博・表慶館で開催中の、横尾忠則の寒山百得展です。・・・!
なんと、横尾忠則の寒山百得! 外国人作家だなんて、お恥ずかしい限りでした。
前週の10月13日に、都現代美術館で横尾忠則の特集を観ていたのですが・・・・
で、2023年11月15日(水)に東博・表慶館へ。
公式サイトから
本展は、現代美術家・横尾忠則が、寒山拾得を独自の解釈で再構築した「寒山拾得」シリーズの
完全新作102点を一挙初公開するものです。このシリーズは、寒山と拾得という、中国、唐の時代に
生きた伝説的な2人の詩僧をテーマとしたものです。彼らはその奇行ぶりから「風狂」ととらえられ、
日本、中国では伝統的な画題となりました。
新型コロナウィルス感染症の流行の下、横尾は、寒山拾得が達した脱俗の境地のように、俗世から
離れたアトリエで創作活動に勤しみ、まさに時空を超越し、あらゆる世界を縦横無尽に駆け巡りま
した。描き出された寒山拾得からは、めくるめく物語が紡ぎ出されています。画家活動の最大の
シリーズとなる「寒山拾得」は百面相のように、観る人にさまざまな問いを投げかけることでしょう。
では作品を 作品名は、制作した年月日になっています。
〈2021-09-03〉
寒山の手にするお経は、トイレットペーパに、拾得の箒は掃除機に変身!
ン? トイレットペーパがない、大変だ―(トイレの中のように焦る) ン、右端かな?
幸せそうな二人の周りには、やばそうな人も。
たどたどしく見える筆運び、横尾忠則が、朦朧体と名付けたもの。
実は、2015年に横尾忠則は突発性難聴になり、続いて右手も腱鞘炎に。
感覚もぼんやりし、手も不自由な動きになり、それで描いたものだから・・・
〈2021-9-9〉
大谷翔平が描かれています。
見聞きすることが、脳裏からキャンバスに。
〈2021-9-17〉
横尾忠則は、武蔵と小次郎の決闘場面を、小さい頃に描いていて
自分で傑作だと思っています。 そのイメージが寒山拾得に置換わった。
<2022-01-29>
長谷川利行も、真っ青! このタッチ
掃除機もトイレットペーパも、もーどうでもいい感じ。
<2022-02-06>
赤い絨毯シリーズの始まり。
〈2022-03-24〉
マネの ”草上の昼食” にワープ。
看板は、虎に注意だって
〈2022-03-28〉
横尾忠則の小説<原郷の森>から、意味ありげな文句が抜粋されて、会場の壁に貼られています。
<2022-04-14>
<2022-05‐01>
そして、納涼図屏風モチーフの本作品。
この作品では、腱鞘炎が一時回復したのか、朦朧体が影を潜め、見やすい。
夢ですが、トーハクで、本作品と、納涼図屏風を並べて見てみたい。
<2022-05-14>
<2022-06-23>
組んず解れつ、の曼陀羅が面白い。
会場の表慶館と、マッチしていました。
<2022-09-13>
東京オリンピック(2021年)の、アーティスティックスイミングの残像かな。
寒山拾得って・・
<2022-12-01>
ポスターのメインヴィジュアル。
サッカーのワールドカップの時期だったので、サッカーボールだ。
<2022-12-29>
<2023-01-03>
<2023-01-15>
これで101作品目で、寒山拾得の、原スタイルに戻った。
ただし、衣が山水画!
<2023-06-27>
シリーズ完了と思ったら、会期直前に追加された一作。
うーん、風神雷神図を思わせる構図、朦朧体のタッチも素晴らしい。
横尾忠則と寒山拾得百得展、色々な経緯があって、開催されたのですね。
現存作家の個展を、東博で開催するのは初めてだとか。
東博の意気込みに拍手です。
最近のニュースとして、神戸での巡回展を終えて、本作品はすべて、東博に寄贈されることに。
(このニュースが、本ブログを書くきっかけでした)
となると、トーハクで、納涼図屏風と、横尾忠則版を並べて見られるのも、夢ではないかも。
50年後、100年後のトーハクで、人々はこの作品をどう見るのだろう? 考えると楽しい。
楽しく読みました!ありがとうございます🥂✨
私にとっては、恥ずかしさもあり、忘れられない思
い出となりました。