積極的平和主義の仕込みに、中共が引っ掛かり、民主党の海江田が同様にひつ掛った。
安倍晋三政権の行動には、何回となくフイルターの役割をする事項が混ざっている。
反対する者は、敵対するものだ。選り分けよと指摘している。
日比野庵 本館
安倍総理の「積極的平和主義」という仕込み
作成日時 : 2013/09/28 10:00
http://kotobukibune.at.webry.info/201309/article_28.html
まぁ、「積極的平和主義」という単語があるかどうかは知らないけれど、言わんとする理念は理解できる。「積極的平和主義」の表明は、日本がこれまで以上に 平和のために国際社会に貢献する、という意味であり、当然、集団的自衛権の行使や憲法改正までも視野にいれているものと思われる。その意味では、日本はこ れから変わるという意思表明であり、それを世界に受け入れて貰うための"仕込み"の意味合いを持った演説ではないかと思う。
この"仕込み"の釣り針に、さっそく中国が引っ掛かった。9月26日、中国外務省の洪磊報道官は定例記者会見で、「日本に対し、歴史を戒めとして、歴史の 教訓をくみ取り、本当に切実に相互信頼、平和と安定に役立つことを為すよう求める。…日本側は自らの軍備拡充、軍事政策を調整する口実のために、人為的に 緊張を誇張し、対立を作り出すべきではない。…日本の指導者は真摯に国際社会の関心と正義の呼び声に向き合い、歴史を正視し、反省する態度を表明し、実際 の行動で国際社会の信頼を得るべきだ」と歴史問題を持ち出し批判した。
だけど、中国はここ数年「平和的台頭」と政策として掲げ、海洋進出ならびに周辺国への圧力を強めている。この中国の"台頭"を世界は注視しているのが現実で、こちらの2011年の人民日報の記事では、「中国はどのように台頭するのか?」「中国は平和的台頭を実現できるのか?」「中国は台頭した後に何をするのか?」といった、海外からの質問に対する反論を載せている。
その反論の一つに「中国は現行の国際体制の転覆を謀らない」としているのだけれど、やっていることは、年10%の軍事費の増大であり、南シナ海でのフィリピンとの対立や尖閣での日本との対立。これで、「国際体制の転覆を謀らない」といわれても今一つ説得力に欠ける。
それ以前に、中国が日本に対して、「積極的平和主義は軍備拡充の口実」などど、どの口がいうのか。自分達のほうがよっぽど軍拡をしているくせによく言えたもの。
まぁ、これについては、既に安倍総理が、ハドソン研究所での演説でジョークを交えて「日本はすぐそばの隣国に、軍事支出が少なくとも日本の2倍で、米国に 次いで世界第2位、という国があります。この国の軍事支出の伸びを見ますと、もともと極めて透明性がないのですが、毎年10%以上の伸びを、1989年以 来、20年以上続けてきています。さてそれで、私の政府が防衛予算をいくら増額したかというと、たったの0.8%に過ぎないのです。従って、もし皆様が私 を、右翼の軍国主義者とお呼びになりたいのであれば、どうぞそうお呼びいただきたいものであります。」と思いっきり釘を刺している。
だから、洪磊報道官の批判はかなり"間抜け"に聞こえてしまう。
今回の安倍総理の「積極的平和主義」という理念の表明によって、同じく演説で触れた「シリアへの人道支援」や「北朝鮮問題」、「女性の活躍」などは、この 「積極的平和主義」の実践例として、世界は受け止めるだろう。これらの実践例にはいずれも「人権を守る」という大義がついているから、世界もこれを拒否は しないと思われる。
その意味において、日本の「積極的平和主義」という"仕込み"が成功する確率は高い。
「積極的平和主義」に異論=民主代表
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013102300878
民主党の海江田万里代表は23日、東京都内で開かれた会合であいさつし、安倍晋三首相が提唱する「積極的平和主義」について、「(自衛隊が)外国の市民を殺さず、自衛隊員も殺されなかったことは世界に誇ることだ。それを崩そうということなら、納得できないし、反対だ」と異論を唱えた。
海江田氏は、国連平和維持活動(PKO)などへの参加実績を念頭に、「これまでが消極的な平和主義だったのか。この10年、日本は高い評価を得られるような積極的な国際貢献をした」と強調した。(2013/10/23-20:04)