河野談話の検証に関して、米国務省のサキ報道官は10日の記者会見で、
「前向きな一歩だ」と評価した。
この事に、オバマ政権の考えが、垣間見える。
日米韓の三者三様に解釈している現状が浮かぶ。
過去に遡るために、検証には制約がある。検証の持つ効果も現在は判断がつかない。
安倍政権で、歴史問題に一つの足がかりを得たと感じる。
多くの見解は、従軍慰安婦は嘘だったと言う。
多くの論者の意見を聞けば、慰安婦は存在した。韓国政府の言うように、強制連行は無かった。
日韓基本条約で解決済みの問題を、持ち出すのは韓国側が不当である。
ましてや、アメリカ国内で従軍慰安婦の像なるものが建設されるのは、アメリカも加担していると
日本国民は思っている。
そうした感情が、反米感情を掻き立てる原因になると感じている。
「河野談話見直さず」を評価 米国務省「前向きな一歩」
ワシントン=大島隆
2014年3月11日13時07分
http://www.asahi.com/articles/ASG3C2G74G3CUHBI00V.html
安倍政権が旧日本軍の慰安婦問題をめぐる1993年の河野官房長官談話の検証を検討していることに関連し、米国務省のサキ報道官は10日の記者会見で、「河野談話を維持すると官房長官が述べたことに留意している」と述べ、河野談話を見直さないという立場を「前向きな一歩だ」と評価した。
米オバマ政権は安倍政権の発足当初から、河野談話の見直しに踏み切らないよう求めてきた。サキ氏の発言は、河野談話の検証に向けて動く安倍政権に対して、こうした米政府の立場を改めて示したものだ。
サキ氏は会見で「村山談話や河野談話は、日本が近隣国との関係を改善するうえで重要な出来事だった」と指摘したうえで、「我々は、日本の指導者が近隣国とより強固な関係を築くことに資する形で、こうした過去の問題に取り組むことを促している」と話した。
国務省当局者によると、河野談話検証の動きを受けて、オバマ政権はこうした立場を安倍政権に改めて伝えたという。オバマ政権は4月下旬に予定しているオバマ大統領の日韓両国訪問を前に、日韓関係の改善を両国に働きかけている。河野談話の検証に向けた動きに対し、韓国政府が反発していることから、慎重な対応を求めたとみられる。(ワシントン=大島隆)
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菅義偉官房長官は11日午前の記者会見で、慰安婦問題をめぐる河野談話について、「安倍政権としては河野談話を継承することを会見でもたびたび述べてきた。そうしたことをこれからも関係各国にしっかり説明していきたい」と語った。談話を踏襲する従来の政府の立場を改めて強調した。
菅官房長官:河野談話見直さず…検証結果は開示も
毎日新聞 2014年03月10日 23時00分(最終更新 03月10日 23時57分)
http://mainichi.jp/select/news/20140311k0000m010080000c.html
菅義偉官房長官は10日の記者会見で、従軍慰安婦への旧日本軍の関与を認めて謝罪した1993年の「河 野談話」について「見直すことは考えていない」と明言した。政府が河野談話の作成経緯を検証する方針を表明したのに対し、韓国が反発したため、先に見直し を否定することで、配慮を示したものだ。ただ、肝心の検証作業は有識者による検討チームで行う方向になったものの、具体的な手法や期日は詰まっていない。 安倍政権の歴史認識に海外から厳しい目が向けられる中、政府として慎重にならざるを得ないのが実情だ。
菅氏は会見で、河野談話の作成経緯について「決着した日韓間の過去の問題が、韓国側から再び提起されて いる状況なので、しっかり検証したい」と重ねて強調した。検証作業は、元慰安婦への政府の聞き取り調査結果の信ぴょう性と、河野談話作成の過程で日韓両政 府のすり合わせがあったかどうかが焦点になる。
談話作成に関わった石原信雄元内閣官房副長官が2月20日の衆院予算委員会で、日韓両政府のすり合わせの可能性について「(原案を)まとめる段階で何らかの事務的なすり合わせがあったのかもしれない」と答弁。このため、菅氏は日韓両政府の事前調整の検証には前向きだ。
しかし、元慰安婦への聞き取り調査は当時、非公開で行われた。生存者も高齢化しており、再調査は簡単ではない。
菅氏は検討チームの作業を「極秘」で進める方針だが、10日の会見では「国会から要請があれば、(結果 を)提出する用意がある」とも述べた。結果を開示すれば、非公開という当時の前提に反することになりかねず、政府関係者は「国会への『ゼロ回答』は難しい が、韓国側とは極秘を前提にやり取りしており、どういう形でオープンにすればいいのか」と頭を悩ませている。
韓国は既に日本政府の検証方針について「談話を否定する試み」と批判しており、日本政府の検証作業が本 格化すれば、日韓関係の改善が一層遠のく恐れがある。一方、米国は4月のオバマ大統領訪日を前に、日韓の歩み寄りを要請。菅氏が今のところ、作業開始と結 論を出す時期を明確にしていないのは、当面の外交日程をにらんでいるからでもある。
河野談話の作成経緯の検証を働きかけた日本維新の会は当面、政府の検証作業を見守る構えだ。同党幹部は10日、「検証の結果、問題点が明らかになれば、実 質的に見直しと同じようなものだ」との認識を示した。政府の検証結果によっては、国会で河野談話の見直し論議が強まる可能性も否定できず、検証作業に乗り 出した菅氏は難しい選択を迫られている。【鈴木美穂、阿部亮介】