日本人の関心は、アメリカの対中共政策が変化を見せたなら、
どの程度の実効性が確保されるかの見極めである。
中国、弱腰見透かし強硬…米国「くさび」と配慮と 米中国防相会談
2014.4.9 01:34 (1/2ページ)[日中関係]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140409/chn14040901350000-n1.htm
【北京=川越一】中国の常万全国防相が8日、ヘーゲル米国防長官との会談で、対日戦争も辞さない強硬発言を行った。外交の場で武力行使の可能性を示すという異例の発言には、日本防衛を明確に打ち出した米国を強く牽制(けんせい)する意図がうかがえる。
中国側は今回、ヘーゲル氏の要請を受け入れ、外国人としては初めて空母「遼寧」の視察を認めた。軍備の透明性向上を求める米側に対し、“誠意”を見せたつもりだったが、米側の不信感は払拭されなかった。ヘーゲル氏自らが中国国防相に尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐり、日本防衛を明言した意味は小さくない。
ただ中国側は、クリミアやシリアで軍事介入を回避した米国が、尖閣諸島をめぐる問題でも強く出ないと読んでいるフシがある。
中国人民解放軍を指揮する総参謀部は昨年1月、習近平国家主席の重要指示に基づき、全軍に対し「戦争の準備をせよ」と命じたものの、対日戦争を直接指すものではなかった。今回、強い決意を示すことで、米国に自制を促す狙いがあるとみられる。
◇
【ワシントン=青木伸行】オバマ米政権の最近の対中政策は「(中国の)核心的利益(の主張)には引き込まれない」(政府筋)という姿勢と、同盟国防衛の決意を強調することが特徴だ。
それはオバマ大統領が先の米中首脳会談で表明し、ヘーゲル国防長官も8日、同盟国への防衛義務を「完全に果たす」と語ったことにも表れている。
オバマ政権が同盟国防衛への決意を押し出している背景として、ウクライナ情勢が影響しているとみられる。現にヘーゲル氏はロシアによるクリミア併合に言及し、「今回はロシアだったが、力ずくで他国の領土的一体性と主権を侵害しようとする国は他にも存在する。アジア太平洋の同盟国の間にも、(中国への)不安や懸念が生じている」との認識を示している。
しかしその一方で、ヘーゲル氏は訪中に先立ち「米軍の再均衡戦略は、中国の封じ込め戦略ではない」「われわれは敵同士ではない」とも強調。「核心的利益」ではくぎを刺しつつ、関与政策により東・南シナ海で不測の事態を回避し、中国から軍事力の透明性を引き出すことをも主眼としている。
今回、アジア太平洋地域の安全保障を話し合う高官級対話の枠組み新設で、米中が合意した-などの動きにそれは見られる。
どの程度の実効性が確保されるかの見極めである。
中国、弱腰見透かし強硬…米国「くさび」と配慮と 米中国防相会談
2014.4.9 01:34 (1/2ページ)[日中関係]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140409/chn14040901350000-n1.htm
【北京=川越一】中国の常万全国防相が8日、ヘーゲル米国防長官との会談で、対日戦争も辞さない強硬発言を行った。外交の場で武力行使の可能性を示すという異例の発言には、日本防衛を明確に打ち出した米国を強く牽制(けんせい)する意図がうかがえる。
中国側は今回、ヘーゲル氏の要請を受け入れ、外国人としては初めて空母「遼寧」の視察を認めた。軍備の透明性向上を求める米側に対し、“誠意”を見せたつもりだったが、米側の不信感は払拭されなかった。ヘーゲル氏自らが中国国防相に尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐり、日本防衛を明言した意味は小さくない。
ただ中国側は、クリミアやシリアで軍事介入を回避した米国が、尖閣諸島をめぐる問題でも強く出ないと読んでいるフシがある。
中国人民解放軍を指揮する総参謀部は昨年1月、習近平国家主席の重要指示に基づき、全軍に対し「戦争の準備をせよ」と命じたものの、対日戦争を直接指すものではなかった。今回、強い決意を示すことで、米国に自制を促す狙いがあるとみられる。
◇
【ワシントン=青木伸行】オバマ米政権の最近の対中政策は「(中国の)核心的利益(の主張)には引き込まれない」(政府筋)という姿勢と、同盟国防衛の決意を強調することが特徴だ。
それはオバマ大統領が先の米中首脳会談で表明し、ヘーゲル国防長官も8日、同盟国への防衛義務を「完全に果たす」と語ったことにも表れている。
オバマ政権が同盟国防衛への決意を押し出している背景として、ウクライナ情勢が影響しているとみられる。現にヘーゲル氏はロシアによるクリミア併合に言及し、「今回はロシアだったが、力ずくで他国の領土的一体性と主権を侵害しようとする国は他にも存在する。アジア太平洋の同盟国の間にも、(中国への)不安や懸念が生じている」との認識を示している。
しかしその一方で、ヘーゲル氏は訪中に先立ち「米軍の再均衡戦略は、中国の封じ込め戦略ではない」「われわれは敵同士ではない」とも強調。「核心的利益」ではくぎを刺しつつ、関与政策により東・南シナ海で不測の事態を回避し、中国から軍事力の透明性を引き出すことをも主眼としている。
今回、アジア太平洋地域の安全保障を話し合う高官級対話の枠組み新設で、米中が合意した-などの動きにそれは見られる。