真夜中のつぶやき <murmur to oneself at midnight>

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比べるべくも無く唯一の『ただ一人の男』

2011-11-12 | 読了本review

本日はショコラで

火崎勇さん『ただ一人の男』
 幼い頃のトラウマで人間を『もの』としか見ることができない受様。あるきっかけで
 店の客だった不動産会社社長は元極道の攻様と同居している。攻様は男女構わ
 ず相手にする男だが、受様に同居人以上の関係にを求める事はなかったが…

本作はショコラノベルズで4巻、
スピンオフ2巻を刊行したシリーズものリメイクで
書き下ろしをプラスして文庫化したシリーズ本編の1巻目です

私は旧版はフルコンプですが
書き下ろし2本の為に文庫も完備の予定です

強面な元ヤクザの組長で現不動産会社社長と
ある事件で感情の起伏がないバーテンダーの二人は
雑誌付録とか個人同人誌とかで番外編を沢山読んでますが
どんな内容でも萌えられる大好きなシリーズですねよ。

1巻は受様視点で二人の出会いからまとまるまでの本編と
攻様視点での回想を絡めた番外編を収録しています。

受様は幼い頃に押し込強盗に両親を殺された事から
人としての感情が欠けていて
どんな人でも動く『人形』にしか思えません。

たまに事故のフラッシュバックで
体温を奪われる発作に襲われつつも
淡々と生きる事を続けていたのです。

そんな受様が攻様と出会うのは
受様が務める事になったバーでの事

攻様は地元でも有名な
昔堅気の任侠一家の組長の一人息子でしたが
組員の未来の為と組をたたみ、
堅気として不動産業を営んでいます。

ある時、酔った攻様を自宅に送り届けた受様は
体温低下の発作に襲われ、
攻様宅に同居させられることになります。

俺の知らないところで死なれたら
後味が悪い。

攻様は受様の発作を止める手助けはしても
誘われれば多くの浮き名を流していたので

受様は攻様を単なる同居相手としか
見ていませんでしたが

攻様が諍い相手の下っ端に刺されて
死にかけた事件以降
受様には攻様が『人間』に見えだします

果たして攻様の事件は
受様を変えることになるのか

受様は両親の死後、
人はいつかは動かなくなる「物」としか認識できず
何にも動く「情」が有りませんでした。

今は堅気とは言え極道の匂いプンプンの攻様は
自分を怖がらない受様を気に入り
ちっょとした策を弄して自宅に連れ込みますが

受様の動じなさが感情がない為と知り
一気に受様に惹かれていきます。

愛しいからこそ、かわいそうだと思うんじゃないか。

組員のた為に組をたたむほどの
攻様の情の深さを感じますね

過去に有った強盗殺人事件のトラウマで
人の情を解せない受様と
解散したとはいえ生粋の極道な攻様の恋の進展は
決して穏やかでは有りません。

攻様がさされたり
受様が拉致られて強姦されたりと
結構痛い場面があるので好き嫌いが別れるかもですが

巻を増すごとに情を取り戻す受様と
情の強さは筋金入りの攻様が
お互いしか見えないの関係がすっごく良いのですよ

4巻ともに書き下ろし短編付き
初版にはペーパーが付くので全8本の番外編も
余さず味わってほしいです

コメント
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