真夜中のつぶやき <murmur to oneself at midnight>

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自分のために願う事『十の願い』

2012-01-09 | 読了本review

本日はクロスです

火崎勇さん『十の願い』
 老いた養母と小さな煙草屋を営む受様は、毎日店を訪れる攻様に
 密かな恋心を抱いていた。攻様との他愛のない話をするだけで幸せ
 だった。しかしある夜、攻様から突然の土地買収を告げられ?!

受様の店の常連客で土地開発会社社長と
義母とたばこ屋を営む青年の年の差ラブ

受様は実の両親は捨てられた為
希望や期待を持つ事もなくただ日々を過ごしていましたが
息子夫婦と孫娘を失ったという老夫婦との出会いが
小さな希望を与えてくれます。

義父は願い事は叶わないことが多いが
どんな人だって一生のうちに十個は必ず叶うよと
受様に願いを書くノートを贈ります。

受様は
高校入試で初めての願いを書いて以来
色々な願いを書いてきました。

叶ったものも叶わなかったもモノも有り

大学を出た受様は一度は就職しましたが
義父がなくなってからは
病持ちの義母とタバコ屋を営んでいます。

そんな受様の最近の楽しみは
ある一人の男性客の来店でした。

背が高くスーツの似合い
颯爽としていて押しの強そうなその人こそ
今回の攻様になります

実は攻様は土地開発会社の社長で
近隣の土地とともに受様宅は
彼の会社の買収計画に含まれていたのです。

買収の話を聞いた義母は
家を手放す事を嫌い話は進みませんでしたが
受様の義母が急死した事で事態は一変、

残された受様は願い事を記してきたノートに
初めて自分のためだけの望みを書き込みます。

攻様と一緒にくらしたい、彼の側にいたい

果たして受様の願いは叶うのでしょうか

実の両親に望まれなかった事から
自分から何かを望む事をしてこなかった受様が
初めて自分から欲しいと望んだ恋のお話になります

最初は土地の買収目的で通っていた攻様ですが
受様との時間はささやかな癒しであり
義母と二人きりの静かな生活を送っていた受様には
日々の生活に彩りを添えてくれる一時でした。

受様の義母の死で土地を手放した受様は
代りの条件として攻様宅への同居を望み
攻様は受様を自社での仕事を与えます。

このあたりで既にそこはかとな~く
攻様の好意の質が見えおります

しかし
大人な攻様が
肉親の死で気落ちした受様に迫る事は無く
万事控えめな受様が
自分の気持ちを攻様に伝える事も無く

攻様の結婚話が出た事で
受様は彼から離れる決意をした事で
二人の間には立たなくていいはずの大波が

ハッピーエンドがお約束なのですが
受様なりの理由があっても
すれ違ったままに身体を繋げ
離れていく選択をした時にはハラハラでしたが

何事にも控えめながらも
出来る事に真摯に真面目な受様が
幸せを掴めてホント良かったです

コメント
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