日本国憲法第3条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。
『国事に関する行為』とは?
『国の政治に関する事柄に関する天皇の行為』に対する内閣の責任の性格。
ここでの『責任』とは「内閣が助言し、認めた天皇の告示に関する行為に対する法律上の不利益または制裁は、当然、内閣が負わされる」ことを意味している。つまり、国民主権を国体とするわが国における象徴天皇制の下では、天皇には政治的には一切の発言権も自主的行動権も与えられておらず、内閣の傀儡として動くことが要求され、それ故、天皇が内閣の助言と承認の下で行った政治的行為に関する責任も天皇には及ば無いのである。
日本国憲法第4条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
2 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。
『天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ』 という文言は勿論、天皇の私的行為まで否定するもので無いことは言うまでも無く、前条項で規定されたように内閣の「助言と承認」があれば、如何なる『国事行為』もして良いということでは無く、この憲法で許された以外の『国事行為』は、内閣が「承認と助言」をしてはなら無いと言う、天皇自身を縛る規定では無く、内閣を縛る規定としてこの条項を認めるべきである。
前述の『国事行為』に対する概念の記述は私権のものであるが、法文はその法律に特有な定義づけが無い限り、一般用語とかけ離れた解釈をすべきで無いと言うのが私の見解であるので上述のような解釈となったのだ。しかし、学説や判例が認めるところでは、『天皇の行う国事行為』を狭く解釈し、喩え内閣の『助言と承認』があったとしても、天皇には実質的に政治的行為は一切認めず、あくまで形式的・儀礼的行為に限るとしている。その結果、「天皇が衆議院を内閣の『助言と承認』の下に解散する」ことは、内閣が天皇に『衆議院を解散する形式的・儀礼的行為そのこと自体』への『助言と承認』による行為であり、内閣に『実質的解散権』を与えたものでは無いとするのが、通説でもあり、最判の認めるところでもあるのだ。
国事行為の臨時代行に関する法律
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