魂魄の狐神

天道の真髄は如何に?

◆◆【我「老子」の私見を綴る】◆◆ 儉武第三十

2012-05-09 22:21:45 | 学問

儉武第三十

以道佐人主者、不以兵強天下。其事好還。師之所處、荊棘生焉。大軍之後、必有凶年。善者果而已。不敢以取強。果而勿矜。果而勿伐。果而勿驕。果而不得已。果而勿強。物壯則老、是謂不道、不道早已。 

道を以って人主を佐くる者は、兵強く以って天下にあたらず。其の事は還を好む。師の處る所、荊棘生じん。大軍の後、必ず凶年有り。善者は果たして已む。敢て以って強を取らず。果たして矜らず。果たして伐さず。果して驕らず。果して已むを得ず。果たして強なることなし。物壯なれば即ち老い、是れ不道と謂う。不道は早く已む。

大道を以って政治を司る者は、兵を起こし力で民を捻じ伏せて天下を治めるようなことはしない。強引に事を運べば必ず報いが来る。兵を動かせば必ず民衆に災難を起こし、耕地も荒れ果てる。 よって、大軍を動かした翌年は必ず凶作に見舞われて民衆は飢え、人心も荒む。道を弁えた者であればある程度のところで加減を知って兵を引く。勝ちを誇って敢えて、戦いを引き伸ばすようなことはしない。手柄より頃合を見計らって治める。討伐も、ある程度で収める。勝ち誇ることも無い。止むを得ない仕儀に留まる。収まれば強勢を張らない。勢いがあるものも早々衰えるものであり、強気一点張りは道にそぐうものでは無い。大道を外せば直にも滅亡する。


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