期 限
期限の意味
法律的効力を将来確実に発生する事実に関わらせて、その効力を事実が発生するまで制限する目的で、表意者が契約などをするとき特に付加する制限。
(例) 「雨が降れば」と言うのは、必ずやって来る事実だから期限であり、「一週間以内に雨が降れば」と言えば、必ずやってくる事実では無いから条件となるのです。
期限の到来の効果 民法第135条 法律行為に始期を付したときは、その法律行為の履行は、期限が到来するまで、これを請求することができない。
2 法律行為に終期を付したときは、その法律行為の効力は、期限が到来した時に消滅する。
期限の種類
○確定期限と不確定期限 期限のうち何時来るかはっきりしているものを確定期限と言い、はっきり何時とは決めて無いが軈は必ず来るものを不確定期限と言う。
○始期と終期 効力の発生を停止しておくための期限として決めた期日を始期といい、その時まで効力を継続させて置くが、その時が到来しだい効力を消滅させる期日を終期という。
期限を付けられ無い行為
○行為をすればすぐ効果が生ずるもの 例 婚姻、養子縁組など
○不確定な法律関係を生ずるような分野 条件は付けられないが期限は付けられる。
○相殺のような遡及効がある行為 始期を付けることは出来無い。
期限の権利
始期附の権利は権利としては既に成立しているが、期限の到来までは請求出来無いだけの状態となっていると言われている。従って、条件附権利よりもずっと強い保護が図られなければならないとされている。
期限の利益
民法第136条 期限は、債務者の利益のために定めたものと推定する。
2 期限の利益は、放棄することができる。ただし、これによって相手方の利益を害することはできない。
期限の到来するまでの間、法律行為の効力の発生、消滅または債務の履行は猶予される。
期限の利益とは、期限が未だ到来してい無いことにより当事者が現に有する利益のことを言う。
期限の利益を受ける者
期限は、債務者の利益のために定めたものと推定され(民法第136条1項)、原則債務者が利益を受けるものとする。
期限の利益を放棄出来る場合
期限の利益は、放棄することができる。ただし、これによって相手方の利益を害することはできない(民法第136条2項)。例えば利息付金銭消費貸借契約に期限が付けられた場合には、債務者債権者ともに期限の利益を受けられると観ることも出来るのだ。
期限の利益が無くなる場合
①法定の期限の場合 債務者が、期限の利益を主張することが出来無くなる場合には債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき、債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供し無いときなど法条の決まりがある(民法第137条各号)。
②約款(期限の利益喪失約款)により決められている場合
債務者がこうしたことが起これば、期限の利益を失うと言う特約をすることがある。そういうことが起これば当然期限の利益が無くなってしまうものと、当事者の意思表示があって初めて無くなるものとの二つの場合があります。割賦販売の債務者が一回でも弁済を怠れば期限の利益は当然無くなると言う約款がある場合でも、割賦販売法では債権者が債務者の期限の利益を無くすには意思表示が必要としています。
当然か意思表示が必要かと言うことには、消滅時効の起算点に違いが出ることになります。
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