第二章 保全命令に関する手続
(釈明処分の特例)
第九条 裁判所は、争いに係る事実関係に関し、当事者の主張を明瞭にさせる必要があるときは、口頭弁論又は審尋の期日において、当事者のため事務を処理し、又は補助する者で、裁判所が相当と認めるものに陳述をさせることができる。
※事案の解明や証拠の提出に関する主導権を当事者に委ねる原則を当事者主義と言い、裁判・訴訟の分野における当事者主義に対立する概念としては、裁判所による積極的な事案の解明や証拠の追究を認める職権主義がある。当事者主義とは、審理において、当事者が自らの手によって主張・立証を行うものであるから、その結果に当事者が拘束されることの根拠の一つともなる。現代民事訴訟法における当事者主義は、処分権主義・弁論主義という形式で基本的に確立している。
※処分権主義 訴訟手続の開始、審判範囲の特定、訴訟手続の終了については、当事者の自律的な判断に委ねられるという原則のことである。民事訴訟の対象となる私人間の権利関係については「個人が自由意思に基づき自律的に形成することが出来ると言う原則」である私的自治の原則が認められるため、この原則を民事訴訟手続にも反映したものと言える。
※弁論主義 職権探知主義の対義語。通説によると、資料(事実と証拠)の収集・提出を当事者の権限および責任とする建前のこととされ、具体的には以下の三つの内容に分けて考えられる。なお、弁論主義の適用される事実は主要事実に限られ、間接事実や補助事実には適用されないというのが通説である点に注意を有する。
第十条 削除
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