魂魄の狐神

天道の真髄は如何に?

◆◆【我「老子」の私見を綴る】◆◆守道第五十九

2012-06-09 16:31:33 | 学問

守道第五十九

治人事天、莫若嗇。夫唯嗇、是謂早服。早服謂之重積徳。重積徳、則無不克。無不克、則莫知其極。莫知其極、可以有國。有國之母、可以長久。是謂深根、固柢、長生、久視之道。

人を治め天に事うるは、嗇にしくはなし。それただ嗇、これを早服と謂う。早服これを重積徳と謂う。重積徳なれば、すなわち克くせざるなし。克くせざるなければ、すなわちその極を知るなし。その極を知るなければ、もって国を有つべし。国の母を有てば、もって長久なるべし。これを深根、固柢、長生、久視の道と謂う。

「清貧」の志を持たずに統治をする莫れ。只管「清貧」に励めむは「早服」に通じる (「早服」とは、社会生活を早めに切り上げて、私生活に環帰することを意味する。老子の考える理想的な国家は、こうした個人が寄り集まった自足的な集団であり、鶏や犬の鳴き声が聞こえるような近さにあっても、互いに行き来しないでいるような自立的な国家だった。)。「早服」は徳を積み重ねることで漸く実現出来るものである。徳を積み重ねれば欲張ることも無くなる。欲張ることが無ければ贅沢をしたいとも思わ無い。人々が贅沢をしたいと思わなければ、国家は財政難で苦しむことも無くなる。国家を人々の営みと身体生命を護るだけのものだと思うようになれば、人々の本来護るべき暮らしも永久に続けられることになる。このことは、物事の基礎・根本をしっかり固め、揺るが無いようにすることで、人々が長生きし国家が長く存在する為に、護られべきことである。


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