雨の降る日のバスの車内。
始発からバスに乗り込んだ私は、空いている席に腰を下ろして
読みかけの文庫本を読んでいました。
2つ目か、3つ目のバス停でバスが停車したとき
何人かの人たちがバスに乗り込んできたので、私は顔を上げました。
うわ…。
一番向こうの、運転席の近くに、80歳は過ぎていると思われる、高齢のおばあちゃん。
そのおばあちゃんより少し手前に、70代半ばくらいと思われるおじいちゃん。
そして、そのもっと手前に、小さな子供を連れたお母さん。
更に、もっと手前に、スマホを手にしたギャル。
ギャルは、席が空いたら直ぐに座ろうという「イス取りゲーム」の雰囲気満々。
私が声を掛けて席を譲りたいのは、一番向こうのおばあちゃんなわけだけれど
声を掛けるには距離がありすぎるので、おじいちゃんでも構わない。
でも、おじいちゃんに声を掛けるには、お母さんを見なかったことにしなければならない。
でも、彼らと私の間には、ギャルがおる。
私が席を立った瞬間に、ギャルが素早くイス取りをしてしまうかもしれない。
しかし、そもそもこの席は、私のものではないのだから
バスを利用する、全ての人に腰をおろす権利がある。
スマホギャルも例外ではない。
どうする。
どうする、自分!?
結局、どうすることも出来ずに、座り心地の悪い席に座り続けた私は、いくじなしだ。
始発からバスに乗り込んだ私は、空いている席に腰を下ろして
読みかけの文庫本を読んでいました。
2つ目か、3つ目のバス停でバスが停車したとき
何人かの人たちがバスに乗り込んできたので、私は顔を上げました。
うわ…。
一番向こうの、運転席の近くに、80歳は過ぎていると思われる、高齢のおばあちゃん。
そのおばあちゃんより少し手前に、70代半ばくらいと思われるおじいちゃん。
そして、そのもっと手前に、小さな子供を連れたお母さん。
更に、もっと手前に、スマホを手にしたギャル。
ギャルは、席が空いたら直ぐに座ろうという「イス取りゲーム」の雰囲気満々。
私が声を掛けて席を譲りたいのは、一番向こうのおばあちゃんなわけだけれど
声を掛けるには距離がありすぎるので、おじいちゃんでも構わない。
でも、おじいちゃんに声を掛けるには、お母さんを見なかったことにしなければならない。
でも、彼らと私の間には、ギャルがおる。
私が席を立った瞬間に、ギャルが素早くイス取りをしてしまうかもしれない。
しかし、そもそもこの席は、私のものではないのだから
バスを利用する、全ての人に腰をおろす権利がある。
スマホギャルも例外ではない。
どうする。
どうする、自分!?
結局、どうすることも出来ずに、座り心地の悪い席に座り続けた私は、いくじなしだ。