父と二人で、母のお見舞いに行ってきた。
父は毎日、私は週2回。
親不孝な娘だ。
父からのLINEで、先週は声を掛けても無反応なことが多かった母が
今週は、声を掛けると頷いたり、声を出して返事をしてくれるらしい。
父が先にベッドに近付いて
「来たよ」
と、声を掛けると、花はぱっちりと目を開けて、父の顔を見て頷いた。
「今日は、私も来たよ」
私が言うと、母は少し顔を動かして、私の方を見た。
「今日は、爪を切らせてね」
掛け布団の中から母の手を出し、私の手の上に乗せると
それは、とても薄くて白くてすべすべした、小さな手だった。
生きていれば、毎日爪は伸びる。
ぱちん、ぱちん。
ぱしん、ぱちん。
「終わりましたよ」
母の顔を見ると、母は私に向かって頷いた。
「今日は、先週より暖かいよ」
レースのカーテンを少し開けて外の景色を見せながら
「もう少し暖かくなったら、外に何か食べに行こうね」
と、私が言うと、母はもう一度頷いた。
「お寿司がいい?ラーメンがいい?」
どしらも母の好きな食べ物だ。
「ラーメン」
まるで、溜め息のような小さな声で、母が答えた。
「そうだね、やっぱりラーメンだよね
じゃあ、暖かくなったら、お母さんとお父さんと、さとみと私で
4人でラーメンを食べに行こうね」
母は、頷いた。
いま、母の頭の中に、どんな場面が思い描かれているのか。
楽しくて、美味しそうならいいな。
帰り道、父が車の後部座席で呟いた。
「ラーメンを食べられるくらい、元気になれたらいいんだけどな」
お父さん、それは・・・。
「そうだね」
そう答えるしかない。
実家には、母が介護サービスで借りていた、ベッドも車椅子も、もうない。
父が、父の判断で、引き取りに来てもらったからだ。
「ラーメンを食べられるくらい、元気になれたらいいんだけどな」
母と父が思い描いたのは、多分、似たような場面だと思う。
父は毎日、私は週2回。
親不孝な娘だ。
父からのLINEで、先週は声を掛けても無反応なことが多かった母が
今週は、声を掛けると頷いたり、声を出して返事をしてくれるらしい。
父が先にベッドに近付いて
「来たよ」
と、声を掛けると、花はぱっちりと目を開けて、父の顔を見て頷いた。
「今日は、私も来たよ」
私が言うと、母は少し顔を動かして、私の方を見た。
「今日は、爪を切らせてね」
掛け布団の中から母の手を出し、私の手の上に乗せると
それは、とても薄くて白くてすべすべした、小さな手だった。
生きていれば、毎日爪は伸びる。
ぱちん、ぱちん。
ぱしん、ぱちん。
「終わりましたよ」
母の顔を見ると、母は私に向かって頷いた。
「今日は、先週より暖かいよ」
レースのカーテンを少し開けて外の景色を見せながら
「もう少し暖かくなったら、外に何か食べに行こうね」
と、私が言うと、母はもう一度頷いた。
「お寿司がいい?ラーメンがいい?」
どしらも母の好きな食べ物だ。
「ラーメン」
まるで、溜め息のような小さな声で、母が答えた。
「そうだね、やっぱりラーメンだよね
じゃあ、暖かくなったら、お母さんとお父さんと、さとみと私で
4人でラーメンを食べに行こうね」
母は、頷いた。
いま、母の頭の中に、どんな場面が思い描かれているのか。
楽しくて、美味しそうならいいな。
帰り道、父が車の後部座席で呟いた。
「ラーメンを食べられるくらい、元気になれたらいいんだけどな」
お父さん、それは・・・。
「そうだね」
そう答えるしかない。
実家には、母が介護サービスで借りていた、ベッドも車椅子も、もうない。
父が、父の判断で、引き取りに来てもらったからだ。
「ラーメンを食べられるくらい、元気になれたらいいんだけどな」
母と父が思い描いたのは、多分、似たような場面だと思う。