愛と自由に満ちた幸福な生活は公平であるべし、人権・平等・平和が生きる人の権利

原理  自由・愛・公平
原則 人権・平等・平和
私が在る限り貴方は有り
貴方が在る限り私は有る

人間社会学 原論 Principles of Human Sociology

2019年12月28日 | 人間社会学原論(1)序説
人間社会学 原論 Principles of Human Sociology

 偶像から普遍的人権へ   -人間再興-
2019/12/28更新

 平成30年12月 3日
中井 天笑   


 1、 序

 リベラルアーツ Lberal Artsという言葉があります。教養・人間を良い意味で束縛から解放するための知識や、生きるための力を身につけるための手法としています。
 人はなぜ勉強しなければならないか? 文明を創ってきた先人の遺産・リベラルアーツを学ぶ為です。人はDNA遺伝子によって生物的に永続性を確保していますが、現代文明を創り上げてきた人類の人文自然科学は知的知識・思考方法がDNAとして現代人を人間たらしめる根本です。脳科学の発展は心の問題にもメスを入れてきました。一人の人間の心の働きと他者・社会との関わりを科学する人間社会学を提唱します。 
 自由と愛が人の最大の心の働きですが、英語では Liberty and Loving(能動的)  Freedom and Love(受動的)な表現が可能です。前者が本稿が目指すものですが、自由と愛を検索するとキリスト教関係のWebが出てきます。人間社会学は自由と愛
 Liberty and Loveが基本テーマです。

 人と人、人と社会の関係を論じるに時、大きな欠陥を内包しています。人間社会は一人の人間、個人の問題と人々が集まった集団社会の問題があります。
 福沢諭吉は学問のすすめ の冒頭で「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。
と欧米の平等主義を紹介しましたが、人は個人では無く、集団として、或いは共同体意識の抽象化した人として天と対峙させました。
 一般に抽象的な表現として、天は言た、人はこうであるから自分はこうすると自己を正当化してきました。社会の一員、人としての正当化です。個人ではありません。ここに抑圧と差別を温存させる要因が有ります。近代になって発明された概念、人権は天とは関係なしに人間社会の中で個人を確立するというコペルニクス的転回の意義がありました。
 人権は人間社会のルール、守るべき掟です。日本の憲法には
第97条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。 人権の各項目の記載がありますが、日本国憲法は国民に対し基本的人権は幾多の試練があっても永久に守り保持すべしと信託しています。
 基本的人権の確立は歴史的、思想史的に偉大な成果です。評価しないのは不都合な人への配慮しか有りません。教義に反するとして進化論を学校で教えないことと同じです。或いは、人は欲求のままに生きる権利があると誤解している人です。

 人は一個の人間として生きる権利がある。人権から普遍的人権の確立です。これは生物の生存目的 :生きること命をつなぐこと: 人間の生きる目的に合致します。
人権には思想信条の自由、信教の自由があります。しかし、他人の人権を侵害する自由は有りません。人は保守的です。習慣と様式を文化として、行動と思考の様式として継承発展させて来ました。社会の変化に応じて、思考と行動の様式は変化せざるを得ません。
 私は天の意思を信じない汎神論者です。残念ながら、自然科学の知見に対応しない教義を改めようと努力しない多くの教団の指導者がいます。その教義は歴史的な文化遺産です。

人は人と何をもってつながるのか? 文明の発達の中で、自然への畏怖や死の恐れ、祟りに絶対物を見いだし、自分探しの中で神という人に似た絶対者を見出しました。知性が芽生え、混沌としたカオスの中から現代の文明まで脈々と築いて来たのは先人です。知性の科学的思考は科学を累乗的に発達させた社会を実現してきました。そして、自分を育んだ祖父母、社会の人々があって初めて今の私が存在します。又、今 私が愛し私を慈しむ人々があっての私です。連綿と続いてきた世代交代の過程の中、今 に私があります。そして、未来も在り続けます。 もって 私が有る限りあなたはあり、貴方があるかぎり私はある 

 かつて 和辻哲郎氏は大正7年 偶像再興 で偶像は破壊されねばならない。しかし、偶像は再興されなければいけない。予は道義を説く。愛を説く。として昭和の戦争の時代、戦後を通じて、和辻倫理学を興しましたが、社会(国)と人との関係です。一人の人間としての個人を考慮していません。個人を人として抽象化したものであり、生命としての人間の営みによる根源的な個人に対ずる-抑圧と差別-が無視されているのは明らかです。
 恋愛で一人の人間を選択することは究極の差別です。人間の生物として営みが-抑圧と差別-を発生させる原因の一つです。個人の普遍的人権の確立と他者との合一感による自己確立が互いにできれば対等な他者との人間関係が築けます。

 人権は個人の自由を守るシェルターの役割を持ちます、しかし一方で他人の人権を守らねばならない制約であり、ジレンマ、二律背反になります。
 人は欲求のままに生きる権利があると誤解している人がいると書きました。その人は言葉を自分を疑うことを知らない。自我のあくなき拡大、法律の範囲内であれば何でも許されると信じています。そして、他人には道徳や倫理を押しつけます。自分がそれを行っていないからこそ、秩序が必要であると確信しています。
 一方で、自由の二律背反は論理的な人ほど、人格形成の途中で、自己肯定が確立出来ない等、様々な社会問題の発生原因があります。道徳や倫理を押しつけも人格形成に支障が発生します。

 自己確立を達成する概念としては愛があります。”自由と愛”甘美なイメージですが、人が生まれ成長の過程で獲得する必要があります。 偶像による”自由と愛”が”抑圧と差別”と同義語であってはなりません。
 愛とは何ぞや? 動物から人間として進化させてきた歴史、生きる元気、気力、希望を与える力であり、より人を成長させる原動力です。自由が人を守る盾ならば愛は人を動的に躍動させる矛です。言葉だけで無く、体験として実感する必要があります。自由と愛が自己矛盾しない人間形成が重要です。

 自由-普遍的人権-生きる目的  -生きること命をつなぐこと
 愛 -人間形成 -文明発展の歴史
         -人生の意義  -私が有る限りあなたはあり、貴方があるかぎり私はある
という構図が可能です。
 自由と愛という概念を対立ではなく、人間の生命として歴史、社会の歴史、生命の存在そのものが自由と愛と言えます。胎児が5億年の進化の歴史を再現するように人は誕生後は文化の歴史を学習して、現代の人間に成長します。
 再度
自由とは 一人の人間が生きること命をつなぐこと を保証する普遍的人権です。
愛 とは 文明文化発展の歴史であり、人生の意義を見出す力です。
 自由と愛は天から与えられたモノではなく、人々が何世代に渡って獲得してきたモノです。

三木清は人生論2、幸福について「幸福とは人格である」としました。同様に、愛とは人格である。また、美とは人格である。と言えます。
 美人美男子は顔?顔は表情を現します。化粧でなりたい自分を表現して下さい。顔を造形するのは人格です。人格を磨くことでなりたい自分になります。

宅島 徳光 大正10年ー昭和20年4月9日 24才没 手記
八重子 【軍歌】 戦友 渥美 清



奇跡のバースデーカードより要約

 あなたは私の生きる目的、力、希望、
あなたの喜びが私の幸せ、私は幸福である
   
   夕映えに 君が瞳の 輝きて
   我が青春の いのち沸き立つ

   瞳を閉じれば貴方に会える
   鮮烈な映像が脳裏に表れる
   熱い想いが眠れる感覚を復活し
   深く想えば、貴方の声が聞こえる
   貴方の鼓動、吐息 温もりを感じる
   歓喜に共鳴 共動した二人の細胞
   遠く離れても共振する覚醒

   天空では比翼の鳥となり
   大海では竜宮に遊ぶ
   鳳凰となりて時空をも旅する

   私が在る限り貴方は在り
   貴方が在る限り私は在る   

 たとえ 恋が失恋に終わっても、あなたは人を恋する能力があります。 人は選ばれるために頑張ります。そして人間として成長します。 人はより強く優しい人になります。そして、より魅力的で偉大になった自分を発見します。


 恋は究極の選別です。次世代に命をつなぐための人間性を問う選択という差別です。社会には多くの人がいます。その人が1番、十番、百番かも知れませんが、人間として何処まで夢中になれるか誠意があるかが問われます。人間形成は優越感と劣等感の狭間で自己肯定を獲得して人は成熟します。恋は性欲の人間的な発露、大脳新皮質を含めた衝動です。しかし、性の衝動は人間性を問わない大脳旧皮質の衝動としてあり、自意識の目覚めた男性の多くが日々苦労した衝動は女性蔑視や宗教家を産み、或いは、性や金銭等の自己欲望を達成が人生の目的と化するいびつな人格形成となります。性愛は人と人を結び付ける強力な力です。親鸞を救った救世観音と救世地蔵として対等に交歓を持つのが理想です。経験を重ね、少しでも相手を思いやれば、相手の喜びが自己の喜びに変化し人間として成長します。

 人間性が最後の勝利者です。 と結んだ与謝野晶子 人間礼拝 大正10年も御一読下さい。


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