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「線路はつづくよ どこまでも」は、いまやおとぎ話

2024年12月16日 13時15分41秒 | 一言

 「ここはグリーン車のデッキです。デッキにお立ちの場合でもグリーン券が必要です」。満員電車にもまれながら、ドアに張られたステッカーに興ざめしました。来春、本格的に始まるJR中央線快速・青梅線のグリーン車サービスです。混雑時でも金を払わなければデッキにすら立てない、とは。

 このところJRグループのサービス低下が目に余ります。JR東日本は2026年3月から普通運賃・定期運賃を全面的に値上げ。片道601キロ以上の距離の往復だと1割引きになる往復割引も廃止。帰省の折に利用していた身としてはダメージが大きい。

 コストカットも著しく、JR東日本では「みどりの窓口」を過去3年で半減。世論の反発で年末年始は50駅で臨時増設とのことですが、焼け石に水では。

 赤字ローカル線の廃止も気になります。頭をよぎるのは、「男はつらいよ 寅次郎真実一路」のラストシーンです。寂れた駅で列車を待つ寅さんと旅仲間のポンシュウ。待てど暮らせど列車は来ない。そのうちポンシュウがレールが無いことに気づきます。

 『山田洋次が見てきた日本』の著者であるフランス人ジャーナリスト、クロード・ルブランさんは、この場面を「国鉄民営化を決めた日本政府への痛烈な一撃」と指摘します。国鉄が分割・民営化されてから37年。今の姿は成れの果て

 「線路はつづくよ どこまでも」は、いまやおとぎ話。公共交通機関である鉄道は国民の足を守る最後の砦(とりで)ではなかったか。ふつふつと怒りがわいてきます。


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