タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪学生時代の思い出(学内レガッタ大会)≫

P1010345 ただ学生時代の思い出といっても、時の経過と共に記憶は薄れ、茫漠として掴みどころがない。たまたま、北大文学部創基五十年の記念事業の一環として、平成十二年に『北大文学部五十年の歩み 創立五十周年記念誌』の発行が予定され、寄付を募る書状が届き、「ああ、またか」と思った。
 北大文学部同窓会再建のために、というかけ声はこれまで何度か経験し、いっときは、寄付は集まるが、そのうち、数年で活動は停止するのが常だった。要するに、会費が集まらなくなるのである。そもそも、他人の褌で相撲を取って、何事も長続きするわけがない。
 このときは、五十周年記念ということで、気まぐれに分相応の求めに応じたところ、立派な冊子が送られてきて驚いた。
P1010347 この冊子の中に、私の青春の一コマが凝縮されている写真が載っているとは思いもしなかった。
 北大では毎年六月に、茨戸川で学内レガッタ大会を行っていた。昭和三十八年春、誰が言い出したか分からないが、英文科三年目クルーで出場しようということになった。茨戸川には、北大ボート部の練習場があって、私たちクルー(コックスを入れて五名)は、秘かにキャンパスを抜け出し、同期二十名の中に茨戸川を住処にするボート部員がいる幸運を利用して、合宿に入った。
 初戦の相手は強豪の医学部、私たちは僅差、競馬に例えると、首の差で敗れた。初めからリードを許し、末脚が伸びなかったのである。キャンパスでは、主任教授が満を持して待ち受けていた。十日間も講義をさぼったのだから、言い訳はきかない。ひたすら穴埋めのレポート作成に精を出した。

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