中華人民共和国共産党政権は、かつて民衆の集団騒動に対して、少数の騒動の中心者を捕らえ、人民の敵として弾圧したが、民衆の情報収集力が向上した現在、そのような対応は騒動を拡大するだけだと悟ったようだ。
民生重視を看板に掲げる胡錦濤政府は、表向き、警察による武器乱用や強制措置を戒め、民衆との対等の意見交換の必要性を地方幹部に強く求めている。
北京オリンピック以後、共産党中央の権威を守るため、<少数の人民の敵を弾圧>から<民衆の怒りを集めた地方幹部の解任>へと対応を方向転換したことは明らかである。
その結果、粉ミルク事件(写真は、9月24日付『讀賣新聞』第6面〈国際〉から転写)の河北省石家荘市・大規模炭鉱事故の河南省登封市・ナイトクラブ火事の広東省深圳市など、多くの地方幹部が解任された。
深刻化する民衆行動への対処の仕方について、11月19日付、前掲新聞・第7面〈国際〉(記事を切り取り台紙に貼って転写)に、北京の専門家三氏の見解が掲載されている。
○ 中国社会科学院農村発展研究所・宇教授
能力の低い地方当局・司法当局の改革が必要である。
集団行動が現政府の統治に影響を及ぼすことはない。
○ 中国社会科学院・單教授
対立の先鋭化が大きな動乱(制度破壊・革命)を招く恐れがある。
集団行動の裏にある情報力はかなり大きい。
○ 中央党校・蔡教授
地方幹部は民衆を理解し、平等な対話を行う必要がある。
民衆に、自己の権利、法律による問題解決方法を理解させる必要がある。
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