タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ 秋サケ異常な不漁 ≫

P1000472P1000473_2 道内では今年の秋サケ漁獲数が、十月十日現在までで、「昨年同期比で31%減と近年にない不漁」(10月20日付『讀賣新聞』第20面〈道総合〉、写真二枚を転写)になっている。
 河川に遡上するサケの数も激減し、採卵用の親魚の確保のために漁業者が定置網の一部を撤去したが、海にサケがいないため、遡上数の増加はあまり期待できないという。
 原因は不明だが、漁獲量の多くを占める四年魚の戻りが悪いというから、平成十七年春に放流した稚魚の生存が何らかのダメージを受けたのではないだろうか。
P1000723 道立水産孵化場道東支部の永田光博支場長も、「今年、管内は四年魚の回帰が悪い。サケは川を離れてオホーツク海に進む時期が最も滅耗しやすい(中略)ことから、川を離れて海に向かった二〇〇五年の春から夏にかけ、沿岸海域で餌や水温の影響を受けて数が減った可能性がある」(11月11日付『北海道新聞』第25面〈道東〉)と分析している。
 私は、ベーリング海の生態系を正確に把握しないサケの稚魚放流に疑問を抱いており、過剰な増殖事業が魚体の大きさや回帰率に影響していると思う。
 不漁は新巻鮭やイクラなどの加工業者(写真は、10月25日付『北海道新聞』夕刊・第11面から転写)にも深刻な打撃を与えている。商品の値上げが避けられないうえに、世界的金融危機のせいで景気が悪化する中で、消費者も買い控えを余儀なくされるのは、アキアジ好きとしては残念である。

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