トヨタ自動車が米国ゼネラル・モーターズを抜いて、初めて売り上げ世界一になったのは、平成19年9月中間決算においてだった。そのとき私は、平安時代中期の藤原道長の和歌「この世をば わが世とぞ思ふ もち月の かけたることも なしと思へば」を引いて、望月の次が十六夜の月であることに言及したが、四年半後に誰が今日のトヨタ自動車の窮状を予想しただろうか。 トヨタは「エコカー補助金などをてこに12年は大幅増を見込む」(1月28日付『讀賣新聞』第11面)が、世界の上位五社の競争は熾烈で、再びトップ争いを演じるか、三位定着が続くかは予断を許さない。
プラモのガンダムを連想させるフロント・デザインの「レクサス」(写真は同新聞・第24面から一部を転写)が新発売されたが、こんなエグイ車を八百万円も出して誰が買うのか。昨年十二月に発売されたハイブリッド車「アクア」のフロントビューも同様で、これが今年のトヨタの売りか。
米ゼネラルモーターズや独フォルクスワーゲンは、中国や南米などの新興国市場での足場を固めており、米国市場を重視してきたトヨタは三位を維持するのに苦労するだろう。日産自動車・仏ルノー連合に抜かれて四位転落もあり得る。
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