胆振管内洞爺湖町は、平成十八年三月に虻田町と洞爺村が合併して新しく設置された、人口一万人余の町で、財政は、旧虻田町域の洞爺湖温泉を中心とした観光関連産業への依存度が大きい。
支笏洞爺国立公園(地図は、HP<洞爺湖町>から転載)は、羊蹄山・洞爺湖・登別・支笏湖・定山渓の五つの地域から成り、二つのカルデラ湖・多様な火山地形・豊かな温泉を特色とする。洞爺湖地域では洞爺湖・有珠山・昭和新山が観光の中心となっている。
七月七日から三日間、先進八か国とEU委員長が参加してG8サミットが洞爺湖町で開催(役場庁舎は、HP<洞爺湖町>から、会場となったザ・ウインザーホテル洞爺は、HP<Noritake >から転載)され、町では全国的に知名度が高まり観光産業の振興を期待したが、サミット終了後に、ガソリン価格の急騰と世界的な景気後退の影響を受け、サミット効果はあっという間に雲散霧消した。
観光産業が振るわなければ町税収入は減る。役場職員の事務処理ミスから生じた高額医療費立て替え分回収不能金、千六百七万円余は、ただでさえ苦しい町財政を圧迫することになる。町が、「町立高校職員を除く176人の全職員で補塡することを決めた」(1月1日付『讀賣新聞』第34面〈道総合〉)のは当然である。
町長については、公職選挙法で寄付行為が禁じられているので、別に負担を検討するという。この不祥事に関わって、「町は関係課長五人と職員四人に減給百分の一を一カ月、一人を戒告とする懲戒処分を行った」(12月31日付『北海道新聞』第22面〈第2社会〉)のも当然である。それにしても、同じ不祥事が十二市町で発生(11月11日付『讀賣新聞』第33面〈道総合〉)しているにもかかわらず、登別市(8月21日付『北海道新聞』夕刊・第15面)と洞爺湖町以外はなぜ新聞で詳細が報道されないのか、当該市町でどのような処理がなされているのか知りたいところである。
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