これまで二回、小選挙区で武部勤氏の軍門に下った松木謙公氏が、三度目でついに勝利(万歳の写真は、8月31日付『讀賣新聞』第17面〈道総合〉から転写)を得た。
当選の原動力は、俗に言われた「自民党の不人気と政権交代ムードの追い風に乗ったのに加え、前回衆院選の道12区比例で約4万8千票を獲得した新党大地との選挙協力と、共産党の同区での候補擁立見送り」(8月31日付『北海道新聞』第13面〈選挙〉)の恩恵もあったが、比例代表道ブロックで復活当選し、地道に選挙区をくまなく回り、支持層の拡大に努めた成果だと、私は思う。武部氏の出身地の斜里町でも松木氏は健闘した。主役交代の道筋は表面下で進行していたのだ。
一方、武部氏は、小泉政権下で幹事長として構造改革の旗振りをしたことを批判され、激しい逆風の中で、比例選で復活当選を果たしたことは善戦といえる。
私はいささか縁があって武部氏とは旧知の仲なので、今回の比例選復活当選を祝したい。しかし、都市部で松木氏と大きな票差が開いた現状(得票数表は、9月1日付『北海道新聞』第22面〈選挙〉から転写)では次回当選が危ぶまれる。昭和六十一年の第三十八回衆院選で、武部氏が無所属で当選したことによって自民党公認で落選した故・安田喜六氏の無念を自ら味わう時が近づいたということだろう。
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