アイスランド共和国は、北海道と四国を合わせたくらいの面積で、総人口約三十万人の小国だが、主産業の漁業と観光に加えて、金融部門を強化し、この二十年で、世界でトップクラスの<金融立国>となった。
上の写真(HP<宮崎(竹内)文彦ホームページ>から転載)の首都レイキャビクの町並みは、今や、漁業と懸け離れ、「一人あたりのGDBは世界四位」(10月19日付『北海道新聞』第5面〈国際〉)に相応しい景観を示している。 しかし、製造業を持たない金融立国は、グロバリぜーションの世界にあって、常に金融危機の大波に翻弄される危険性を孕んでいることを忘れてはならない。
Daniel Bell, The Coming of Post Industrial Society (1973) が出版されたとき、アメリカだけでなく日本でも、「脱工業化」という言葉が流行し、<物の生産から知的生産>へと経済がシフトするといわれたが、Stephen S. Cohen & John Zysman, MANUFACTURING MATTERS: The Myth of the Post-Industrial Economy (1987) が断固として主張するように、堅実な製造業の裏付けがなければ、紙切れだけの知的生産は砂上の楼閣に過ぎないことを、現在の世界金融危機は証明している。キーボードを叩く(写真は、10月23日付『讀賣新聞』第7面〈国際〉)だけで通貨クローナの暴落は防げない。
助けを求められたロシアとINFの出方が注目される。
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