タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪季節はずれの小清水原生花園≫

P1120358 小清水原生花園は、網走国定公園に含まれる七つの海跡湖(サロマ湖・能取湖・リヤウシ湖・網走湖・藻琴湖・濤沸湖・涛釣湖)の一つ、濤沸湖とオホーツク海に挟まれ、濤沸湖岸の湿地から海岸に向かってなだらかな細長い海砂丘を形成している。中間を国道244号に平行してJR釧網本線が走り、北浜駅と浜小清水駅の間に原生花園臨時駅(写真中段<中>、5月1日~10月31日)がある。
 九月一日に斜里警察署浜小清水駐在所の写真を撮りに出かけた時、ここに車を止めたが、花の最盛期(6月~7月)は疾うに過ぎ、ハマナスの実が赤く色づき始めていた。
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 浜小清水に向かって国道左側に線路があり、駅に停止した車両は、乗降客が一人もないまま発車して行った。国道右側には馬が放牧されていて、臨時駅と向かい合う所に、屋根に草の茂った馬の給餌場がある。昭和三十三年に網走国定公園に指定以後、馬の放牧は廃止されたが、雑草が生い茂りヒオウギアヤメやエゾカンゾウの生育が極端に脅かされたため、放牧が再開された。馬が雑草を食べることで原生花園を彩る草花の群落が勢いを取り戻したのである。今では馬の放牧は珍しく、湖と馬の組み合わせは観光資源の一つで、人影まばらな季節はずれの原生花園にも見所はいくつもある。

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