三十代の血気盛んな頃、私は自動二輪車(ホンダ・CB250)を駆って、よくツーリングや登山に出かけた。今回の投稿は、登山を取り上げる。
登山といっても、本格的なものではなく、近隣のありふれた山に、気分転換のために単独で出かけるワンダーフォーゲルにすぎないのだが、それでも、日帰りと一泊二泊の山行とでは、装備に雲泥の差が出る。必然的に、CB250への荷物の取り付けにも影響が出るのである。
このころ、北海道の山を紹介する季刊誌『北の山脈』の存在を知り、蒐集を始めた。結局、創刊号の復刻版を手に入れてから、最終巻、第40号まで揃えるのに、十五年を要した。このての特定地域の山を対象とする雑誌が免れることのできないネタ切れ現象を、『北の山脈』も克服できずに、第40号で終止符を打った。昭和46年3月創刊、昭和55年12月休刊、10年の命だった。後半は、投稿数の減少に、編集委員会は歯がゆい思いをしたことだろう。
私も投稿を考えたことがあったが、名だたる岩場のルート解説に混じって、小学生の遠足感想文のような拙い山行記録が掲載されるわけがない、間違って掲載されても恥をかくだけだと、何度か途中でペンを置いた。しかし、いま振り返ってみると、私のような初心者でも、ガイドブックに載っていない、低山のささやかなルート解説記事を投稿していれば、『北の山脈』の延命にいささか役立ったのでは、と思わないでもない。
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