北海道庁は、エゾシカの被害対策資料を得るために、道内を東部(釧路・網走・十勝・根室)、西部(日高・上川・胆振など)、南部(渡島・後志・檜山)の三地域に分け、統計を取っている(平成20年8月7日付『讀賣新聞』第35面〈道総合〉参照。平成19年度被害額グラフを転写)という。
これまで、被害は圧倒的に東部、特に釧路管内に集中し、平成八年度には、東部全体で農林業被害は四十二億円に及んだ。この危機的状況を打開するため、各市町村が捕獲による個体数削減と防護柵設置などの対策に努めたため、平成十九年度は二十億円に半減した。しかし、半減とはいえ、二十億円はかなりの被害額であり、高齢化によるハンターの減少や防護柵倒壊など、問題が解決したとはいえない。
上の写真の個体は、五月五日早朝、標茶町栄の国道391号線沿いの牧場で発見、車の窓を開けカメラを向けたとたん、ピンと耳を立て警戒心を露わに示し、たちまち林の中に逃げ去った。対策を取っている東部でこの有様だから、今後、迅速な対策を講じなければ西部の被害は爆発的に増大する恐れがある。
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