七月二十三日のキノコ採りには、いくつか余録あるいは余禄があり、予想もしない被写体を見つけ、写真を撮りながら、森林浴を十分楽しんだ。
この日は、地面のヤチダモの倒木の他に、枯立木のタモギダケが目立ち、見事だった。
高い位置に発生しているので、ほとんど採る人もなく朽ちかけているが、純黄色の成菌もあり、採りたい欲望に駆られる。木登りが得意だった少年は、今は老い、ただ下から眺めるのみ。
画像は、地表から1㍍あたりから順次梢に向かって撮影。タモギダケは、このヤチダモには、所々まばらに出ているだけだが、時には木全体が黄金色で覆われることもある。わざわざ登って採るまでもなく、地面の倒木に大発生している。しばし、昔の木登り少年を回想する私の気持ちを、たぶん女房は理解できないだろう。
本州の山仕事のプロは、スギやヒノキの種子を樹上で採るために、下枝が高い木に登るのに、両端に五十㌢ほどの棒を結びつけた「ぶり縄」を用いるが、北海道のトドマツやエゾマツの場合は、種子の樹上採りは行われない。
道具を何も使わない、少年の木登りのコツは、両膝で木をしっかり挟んで身体を支え、両腕を頭上に伸ばして幹を抱え、身体を少しずつ持ち上げることを繰り返すという、単純な動作ができるかどうかである。
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