< 画像は、3月19日付『讀賣新聞』第24面 ( 佐藤俊和氏撮影 ) から転載 >
前日まで1敗を堅持、全勝の白鵬を追走していた関脇・照ノ富士は、11日目、前頭6枚目・魁聖の寄りに完敗した。優勝争いを面白くする点から、照ノ富士に勝ってもらいたいという気持ちがないでもなかったが、私は魁聖のファンなので、正攻法の寄り切りの勝利を讃えたい。
照ノ富士は立ち合いが甘く、もろ差しを許し相手の両腕を抱えて強引にねじ伏せる粗雑な相撲で星を挙げてきた。魁聖は立ち合い鋭く当たり左上手まわしを取って引きつけ、同時に右差し出を返しながら力強く寄り切った。大相撲の決まり手82手の中で最も基本的な技の一つである「寄り切り」の模範的スタイルを高く評価すべきである。
私は、小細工を弄しない正攻法の四つ相撲を取る魁聖が好きで、土俵上の礼儀正しい所作を好ましく思っている。懸賞をわし掴みにし肩までしゃくり上げる白鵬とは雲泥の差がある。「相撲の神様が見ている」とはよく言った。持って生まれた性根が腐っているから、いくら優勝回数を重ねても横綱としての品格が備わらない。少しは魁聖の爪の垢でも煎じて飲んだらどうだ。
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