タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪2月4日早朝、釧路で今冬最低気温更新≫

P1080180 二月四日、午前四時三十分起床。就寝前に暖房を止める二階の書斎兼寝室は、いつも15℃以下になることはないが、今朝は12℃だった。
 暖房を入れ、一時間半ほどデスクワークをした後、六時四十分、スズメに餌を与えるため外に出ると、立春(正確には七時四十八分に太陽黄経315°となる)とは名ばかりで寒さに身が震えた。
 気象庁の「最新の気象データ」によると、西空に煌々と照る更待月(ふけまちづき、月齢20)をかじかむ手を堪(こら)えて大急ぎで撮影した六時四十三分が、釧路の今冬最低気温更新(氷点下22.1℃)の瞬間だった。
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 朝食中に、NHKテレビの「気象情報」で、七時三十分現在の釧路の気温を氷点下20.7℃と報じていた。この寒さの中でスズメやヒヨドリがいつもと同じように給餌台に集まってきたが、心なしか綿毛を膨らませているように見えた。
 私が少年の頃の聚落では、一月下旬にオホーツク海沿岸に流氷が接岸すると、未明の氷点下25℃くらいは当たり前で、断熱効果が全くない板壁の木造家屋の室温は外気温と大差なく、吐く息が凍り枕元が白くなった。人間はいったん楽を覚えると元には戻れないもので、いま氷点下の寝室では眠れない。
 暖衣飽食に慣れ、文化生活は果てしなく向上すると信じる人類は、予定調和が崩れるとき絶滅を免れない。アラン・ワイズマン『人類が消えた世界』鬼澤 忍訳(早川書房)を読めば、人類がいかに無用の存在かが分かる。

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