根気良く・・・。

二人で暮らしている私の実家では、介護の必要な父を母が看ております。



私と５歳上の姉は、出来る限り休みの度に実へ顔を出すつもりでいるのですが、



休みの日に限って早朝から母が電話をして来ます。



『午前中に行くつもりでいるからね！』と言えば、



『あ～良かった！それなら買い物へ連れて行って！』



『病院へ乗せて行って！』



『換気扇のフィルターを交換して！』等々・・・。



日常の近所のストアでの買い物では足りない物を買いに行ったり、



自分では出来ない事をやってほしいと言って来ます。



先日、父は８０歳の誕生日を迎えました。



介護に疲れている母は几帳面で真面目で極度の心配性・・・そして、とてもマイナス思考な人なので、



『私もお姉ちゃんも近くに住んでいるのだし、一人で頑張る必要なんてないのだから



頑張り過ぎちゃダメだよ！』



『心配ばかりしてしていても先の事なんか誰にも予想できないのだから、



心配しても仕方がないでしょ？』と、いつも励ましすようにしています。



でも・・・。



『昨日は○時間しか眠れなかったのよ、今日も○時間しか眠れなかったのよ。』と睡眠時間を計る母。




『そんな時間を計らないで眠くなれば寝ればいいのだし、眠くなければ寝なくたっていいのだし・・・誰が来るわけでもないのだし、忙しいわけでもないのだからゆったりとした気持ちで過ごせばいいじゃない？時間なんか気にするから眠れないのよ！』



『大丈夫！人間は寝ずにはいられないのだから、無不足が続けば寝れるし、お年寄りのほとんどの人が



睡眠導入剤を服用しているのだから、皆そうなるみたいだから心配ないよ！



大丈夫！大丈夫！きっと私もそのうち同じようになっちゃうんだから！』



いろいろ話しては見るのですが・・・口癖のように同じ話の繰り返し・・・。



先日は、母自ら電話をかけてきたのですが、どうやら耳が遠くて私の声が聞こえないらしい・・・



何度も



『聞こえない！聞こえない！全然聞こえないわよ！』と、怒っているので電話を切ってしまいました。



でも、ただ切ってしまったのではありませんよ。



聞こえないというのに電話を繋いだままでは話が出来ないので、



500歩先の実家へ行って話を聞いて来ました。



母から出る話は愚痴ばかり・・・。



昔・・・お嫁に来た当時の話から現在に至るまで・・・既に何百回も聞いている内容ですが、



『そうなんだぁ～！？そうだったんだね～？』と、初めて聞く話のように聞いて来るのです。



母の満足の為です・・・。



昔から無口な父と二人暮らしが寂しくて寂しくて・・・必要以上に電話をかけて来るのです。



そんな母にも幸せであってほしいと願っています。



『大丈夫！もっと適当でいいんだよ！大丈夫よ！１回ぐらい薬を忘れても！』と言いながら



面白おかしく声をかけています。



母は私が面白おかしく適当な発言をしているとしか思えない様子で、不安な顔をしながら



『ホントに大丈夫なの？』なんて言います。



『そんなのホントに大丈夫かどうかなんて、わかるわけないでしょ？私はお医者さんじゃないんだから！



でも、病は気から！って昔から言うでしょ？私、これはホントだと思っているから！』と・・・。



母は不思議そうに・・・いや？呆れているのか？



『へ～？そうかなぁ・・・。』と、おとなしくなります。



泣いても、笑っても同じ時間を過ごして、同じように年は過ぎていくのですから



同じ時間を過ごすなら笑って過ごしていきたいと思いますからね！



毎週、毎週同じ話を繰り返すのであります。



どうにか・・・このマイナス思考の母を笑顔にする為に・・・。




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