消息不明

急激に気温が下がり、寒い1日になりましたね。



今日は消息不明となっている入居者の室内を入居者の御親族様が確認したいとの事で、



提携法律事務所の立合いの元、確認の立合いを行いました。



今も生活しているのではないか？と思えるような室内のテーブルには湯呑茶碗が１つ。


キッチンのシンクは片付けられていて、洗った食器にはホコリ避けのタオルが掛けられていました。


男性の一人暮らしとしては、整理整頓されている室内・・・。



長年、滞納をした事も無い入居者は突然消息を経ってしまいました。



この入居者は当社が管理委託を受ける前から長年入居されていて、滞納等したことが無かったとの事。



入居中でありながら数年前に移動された住民票の住所には建物の存在が無い事が法律事務所の調査でわかりました。



長期に亘る調査の結果、やっとご親族のご兄弟がいる事がわかり、入居者である本人を心配されて、遠方の北海道から上京されました。



入居者本人が生きているのか亡くなっているのかわからない状況の中で、何かの手がかりになればと・・・大切であろう品を整理して頂き、ご兄弟の了承の元でお部屋を明渡して頂くことになりました。



ご親族が家財を確認している姿を横に・・・。



『何処かで元気でいて欲しい』
　


『元気でいるならば誰にでもいいから連絡してほしい』



ご兄弟の心境はきっと、そんな心配をしながら一つ一つ袋の中に大切な荷物を詰めていらっしゃったのだろうと思います。


入居者本人には、誰にも話す事が出来ない事情があったのかもしれません。



真面目で几帳面な人だったという入居者なだけに、兄弟、親族には迷惑を掛けたくない思いだったのでしょうか・・・。



心配してくれる兄弟がいるというのに・・・。



一人ではないのに・・・。



そんな事を考えながら、ご兄弟の姿を目の当たりにすると・・・思わず胸が熱くなりました。



どうか無事でいて・・・出て来て欲しい・・・。



寒い冬になっても・・・暖かい家族が無事を祈って待っていてくれるのだから・・・。



そう思うと、物事が解決していく清々しい気持ちとは裏腹に、言葉ではいい表すことが出来ない切なさを感じた立合いでした。