ヴァイオリン ~ 雑音ラプソディ ~

50代後半になって突然始めたヴァイオリン。
ヴァイオリンやピアノなど
音楽に関することを綴っていきます。

11/8 五嶋みどりさんのデビュー40周年記念ステージ (後編)

2022-11-23 | ヴァイオリン
サントリーホールのPブロックの席は、ステージの後ろ側なので、こちらから見ると手前がピアノ、ヴァイオリン奏者のみどりさんがピアノの向こうで、しかも演奏中は後ろ向きです。
最初は、手前のピアノの音が強く耳に入ってくるので、ヴァイオリンの音が聴き取りにくいと感じるのが難点ですが、段々耳が慣れてきます。
でも、ホールのS席よりも、ステージに近い。手すりがなければ、ステージに降りられそうな距離です。

五嶋みどりさんとピアニストのジャン=イヴ・ティボーデさん、ソナタ一曲終わるごとに客席にお辞儀をして袖に入りまた出てくるのですが、ホールの客席に挨拶した後、後ろに向きを変えてPブロックへも挨拶してくれるのです。
ベートーヴェンのソナタ、最後の7番が終わった後にみどりさんの立った位置が私の正面。
こちらを向いてお辞儀をされた時に目が合って、私もお辞儀で返しそうになったほどでした。
(このような場合、目が合った気がしたのではないか、と言われそうですが、距離は数メートルでしたから、それはないかと…)
拍手し続けましたけど、やっぱりお辞儀して返せばよかったかな。


Pブロック、私が座った最前列の席からの風景ですが、実際はもっと近い距離感覚があります。

リサイタル終了後、みどりさんが40周年の記念にファンのために出版された、ヴァイオリンを始めてから現在に至るまでのエピソードや写真を掲載した簡単な自伝のような本を頂きました。

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11/8 五嶋みどりさんのデビュー40周年記念ステージ (前編)

2022-11-10 | ヴァイオリン
普段はニューヨークにお住まいのヴァイオリニストの五嶋みどりさん。年一回程日本で公演を行なっているようですが、生で聴いてみたいと思いながら、今まで行ったことがありませんでした。

11歳でデビューしてから今年で40周年ということで、サントリーホールの企画で、ベートーヴェンと恩師故アイザック・スターン氏に捧げるオマージュとして、11/8〜11/12までスペシャルステージが開かれています、
アイザック・スターン氏は、1986年サントリーホールのオープニング記念のステージを飾った、イスラエル出身の巨匠ヴァイオリニスト。
それとは別に、同じオープニング企画の海外オーケストラシリーズで、五嶋みどりさんもソリストとして演奏しています。その時の年齢は14〜15歳。

プログラムによれば、アイザック・スターン氏がホールのオープニングを飾ったベートーヴェンを、同じステージで演奏して、この数日間を恩師に捧げたい、というのがコンセプトのようです。

オールベートーヴェンの5日間。曲目は全部違います。
11/8〜11/10はピアノとヴァイオリンのためのソナタ、11/11はチェロとピアノとの三重奏、11/12は新日本フィルとのコンチェルト。
11/8から3日間通えば、ベートーヴェンのヴァイオリンとピアノのソナタを10曲全部を聴けるわけです。
私は初日11/8のチケットを入手するだけで精一杯。買おうと思ったときは、11/8と11/10しか残席はありませんでした。
みどりさんには子供時代からのファンや支持者が多いですし、サントリーホール主催のコンサートはホールメンバーに優先的に販売情報を出すので、チケットの入手は難しいとわかってましたけど…
更に、チケットは少々お高めなので、高い席で後ろの方しか取れないなら、安い席でも良いかと考え、ステージ後ろのPブロックの残席を見てみました。
11/8は割りと余裕があり、驚いたことに最前列に1席空きがありました。
後編で書きますが、この席は意外と良い席だったのです。

11/8のプログラムは、ベートーヴェンの
・ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第1番ニ長調
・ 〃  第4番イ短調
・ 〃  第8番ト長調
・ 〃  第7番ハ短調

みどりさんは、ルビー色の、柄の入った光沢のある生地で、ルビーを模した装飾が施されたノースリーブのロングドレスで登場します。
ピアニストは、フランス出身のジャン=イヴ・ティボーデさん。
楽譜はふたりともデジタル楽譜。最近流行っていますが、直接見るのは初めてでした。
ヴァイオリニストの譜面は、弾きながら足元に置かれたコントローラーを踏んでめくっていました。ピアノの方は、ピアニストの横に女性が座り、その方がコントローラーを操作していたのではないかと思います。

さて、五嶋みどりさんの演奏。ヴァイオリンの美しく柔らかい音色を際立たせるような演奏が印象的でした。
技術的な面は言うまでもありませんが、それを観客に見せつけるような弾き方はしない。それでいて、曲や作曲家が持つエネルギーをしっかり引き出して、観客を感動させてくれる。
これが真の一流ヴァイオリニストの演奏だと思った時間でした。
ピアノとの呼吸もピッタリで、気持ちが良い。 
特にソナタの第7番。
ヴァイオリンとピアノの演奏と聞くとヴァイオリンが主役と思いがちですが、ピアノも主役の一人だと改めて感じさせるベートーヴェンのソナタでした。

後編につづく…



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チャイコフスキーに挑戦 いつになったら完成するの?(完)

2022-11-06 | ヴァイオリン
8月下旬から始めたチャイコフスキーの「カンツォネッタ」、ついに10月末のレッスンでOKをいただきました。
貸しスタジオを1時間半✕2回借りて、にわか集中練習。
毎回躓く難しい小節は、メトロノームを鳴らし続けて、滑らかに弾けるようになるまで、何度も繰り返し…頑張りました。

レッスン当日。
最初にソロで弾きますが、その日に限って肩当ての位置が安定しない。バイオリンの角度が曲がっていく。おかしい。案の定、あんなに練習したのに、指がもつれてつっかえてしまいました。
今日もだめか〜、と思っていたのですが、それでもピアノと合わせて演奏してみます。
1回目、テンポが速くなってしまったことでダメ出し。
2回目、バイオリンを肩に乗せた瞬間、やっぱり不安定な気がする。
弾き始めからバイオリンがズレ落ちそうな感覚になり堪えていたため、弓が震えて音が少し弱々しい。
調子が良くない、と思いながらも、最大の難所をピアノのテンポに合わせて、ゆっくり丁寧に弾いて行きます。音程があまりズレず指がもつれることもなく(一方で、肩と腕は、楽器が動いていかないように必死…)、
そして、最後のフラジオレットもきれいに響き、フィニッシュ。
聴いている方は、バイオリンが動くのを堪えながら弓を震わせていたなんて、わからなかったようです。ビブラートがいつもよりかかっているように聴こえていたのかもしれません。
ということで、長かった「カンツォネッタ」、やっとOKが出ました!

とはいえ、もうちょっと上手く弾けたはずなのに、という納得の行かない仕上がり。何が起こっていたのでしょうか。
肩当てのつけ方はいつも通りでした。

原因は、服です。
着ている服の素材や首周りの開き具合、肩当ての肌への密着度等によって、調子が変わるときがあります。
体型隠しの少しゆるめのチュニックは、服が動くと肩当てもズレます。
ピタッとした服を選ぶべきでした。
モコモコの服もNGです。意外と滑ります。
前にも同じことがあった服をまた着てしまいました。
時間が経つと忘れるのですよー…。

折角時間をかけて練習した曲なので、運指を忘れないように時々弾かないといけないですね。











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チャイコフスキーに挑戦 いつになったら完成するの? (2)

2022-10-24 | ヴァイオリン
8月の下旬からチャイコフスキーの「カンツォネッタ」のレッスンを受けています。
曲集の中から何気に選んだわけですが、この曲なんと、ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品35という有名な曲の第2楽章だということを、レッスンを始めて3週間してから気が付きました。
五嶋みどりさんや諏訪内晶子さんレベルのプロヴァイオリニストが、オーケストラと一緒に弾くような曲です。
こちらは第2楽章のピアノの前奏部分の楽譜。


アダージョのゆっくりした曲なので、レッスン曲としても使えるということなのでしょうか。でもかなり難しいです。
8月下旬から始め、10月も終わろうとしているのに、なかなか仕上がりません。

伴奏なしだと思うように弾けるのに、なぜか、ピアノ伴奏が付くとテンポが合わずに指がもつれたり、かすれた音が出たりして不調になります。
自分でできているつもりでも、曲のテンポが体に入っていない証拠です。
練習不足ですね。

今月1週目のレッスンは、翌週が休講だから今日は完成させようという意気込みで、一生懸命練習して臨んだはずだったのですが…
最初の伴奏なしの独奏は好調でした。この調子でピアノ伴奏に合わせて弾き始めると、少しスピードが上がったけど、難所もなんとなく調子良く進んでいきます。
ところが、最後から2小節目の締めのフラジオレット(G線の下から2/3の辺り、指板のかなり高い位置、を軽く触れて透き通るレの音を出す)、指が届かず音がかすれてちゃんと出ていない…、あーーなんてことー!こんな易しいところでつまずくなんてぇ~。

まだ時間があるので、もう一度やりましょう、ということになりましたが、私の集中力もテンションも下り気味、難所で乱れてもうダメ、時間切れとなりました。

翌週はレッスンはお休み。ということで、2週間後のレッスンは頑張ろう、ちゃんと練習しようと決意したのに、お休みの週の間に思いつきでピラティスなどを始めたために、練習をろくにできず、前日に慌てる始末。
因みに、楽器の練習は毎日しないといけません。一日サボると4日前のレベルに戻ってしまうそうです。
結局、先週(2週間後)のレッスンは、また難所で乱れて次回に持ち越しです。

この曲の難所です。3連符の連続。運指が複雑。音が狂わないように速度に気を付けながら弾かないと、伴奏を無視して暴走してしまいます。


今週は練習時間を増やして頑張ります!✊

こんな風に弾ければ…… (動画お借りしました)
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チャイコフスキーに挑戦 いつになったら完成するの? (1)

2022-10-08 | ヴァイオリン
ヴァイオリンのレッスン話をしばらく更新していませんでしたので、久しぶりに書きます。

前回のトロイメライで腕の調子が戻って来たので、7月下旬にチャイコフスキーに取り組み始めました。
レッスン曲集には2曲、チャイコフスキーの曲が入っています。最初に「アンダンテ カンタービレ」、次は「カンツォネッタ」を教わることにしました。
2番目のカンツォネッタは、もう2か月経ちそうなのにまだクリアできず、練習時間は発表会並みになってきました。

最初のチャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」、意味は「歩く速度でゆっくり歌うように」です。
ゆっくりも、歌うようにも、難しいのです。音がはずれるのが目立ってわかるし、表現力が必要ですが技術的にまだ未熟。まあ、プロになるわけではないので、教える方はそこまで期待してないと思いますが、私自身が頭の中で曲の美しいイメージができてしまって、その通りに弾けないから独りで苦戦しているわけです。
この曲は、ウクライナ民謡を元に作曲されたそうです。時宜にかなった曲とも言えそうですが、譜面の中に、な~んとなくロシア民謡ヴォルガの舟歌の「エイコーラ」に似たメロディーが時々現れて、やっぱりロシアの曲かぁ、となるのです。 
下の譜面(スキャンの仕方が雑ですみません)のその箇所にエイコーラと冗談で入れてますが、誤解のないように、この楽譜はチャイコフスキーの「アンダンテ カンタービレ」という有名な弦楽四重奏曲第1番の2楽章の曲です。



アンダンテ系の難しいところ。3連符やトリル、16分音符以上の細かい音譜になると、自然と速くなってしまいます。ピアノ伴奏が入ると、テンポが狂っていることに気が付きます。
メトロノーム練習は必須ですね。


この曲をクリアするまで、ひと月かかりました。自分では完成できた気分ではなかったのに、OKが出てしまいました。
きっとこれはいくらやってもダメだから終わらせたいと思われたのかなー。

次回は、手強い「カンツォネッタ」のレッスンです。


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