2月10日に予定していた読響のショスタコーヴィチのコンサート、雪のせいで行くのを諦めてしまったことを前に書いたのですが、先週の水曜23日の深夜(木曜の午前2:40〜)の日テレ・読響プレミアで放映したのです。
ありがたや〜😄
知ったのが水曜日。間に合いました。流石に夜中は起きていられないので録画予約して、後でゆっくり鑑賞しました。
超絶技巧の得意な百音さんのショスタコーヴィチ、素晴らしいです。
ハプニングもありました。
やっぱり生で聴きたかったなぁ。
これは再放送があります。
BS日テレ 4月2日㈯朝7:00〜8:00 読響プレミア
演奏: 読売交響楽団
指揮: 井上道義
バイオリン: 服部百音
曲目:
・ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調Op.77
・ショスタコーヴィチ 交響曲第5番ニ短調Op.47から4楽章のみ放映
百音さんは舞台であまり笑顔を見せない方ですが、ハプニングで焦りもあってか、終わったときの表情は疲れと安堵感と達成感。笑顔がありません。
ヴァイオリン協奏曲第1番は4つの楽章で構成されています。
第3楽章は、ヴァイオリンの長いカデンツァ(独奏)が続き、切れ目なく第4楽章に突入、ティンパニがドカンドカンと合図を打ち出します。ソリストのヴァイオリンのパートが始まるまでわずか約18秒。その間に、百音さんは指揮者の譜面台に置いたハンカチを取り、顔の汗を拭い、楽器を下ろしたまま顎あての汗も拭き、ぐっと肩当てを押して、ハンカチを譜面台に置き、ヴァイオリンを持ち上げた瞬間、肩当てが外れて落ちました。肩に楽器を載せたときに落ちたことに気が付き、拾って嵌め込み、再び肩に載せてすぐに演奏に入ります。その動きはわずか20秒ほど。
隣で指揮棒を振る井上道義さん、心配していたのではないでしょうか。
百音さんの解説によると、それで3音弾き逃したそうです。
でも演奏に動揺が表れていませんでしたね。プロの演奏家は流石です。
それにしても、すごい早業。構えてすぐ途中から入れるのはすごいです。
肩当ては、どんなにしっかり嵌めていても、演奏後にヴァイオリンを下ろしたときに落ちることがあります。
肩当てが何だかわからない方は、こちらへ…
次に、後半の交響曲第5番(放送では4楽章だけですが、実際は全楽章演奏)ですが、日本では副題を「革命」と称しています。ショスタコーヴィチが名付けたわけではありませんが、ロシア革命を主題として作られたものとされています。
この曲は、ソヴィエト連邦時代、1930年代のスターリンの大粛清によりショスタコーヴィチの友人や親類が次々と逮捕・処刑されていく厳しい状況下で書かれ、作曲家の名誉回復をもたらした重要な曲です。
スターリン体制下では、音楽は「形式において民族的、内容において社会主義的」であり、そうでなければ反逆者と貶められる時代でした。
後に、ショスタコーヴィチ について、「自らが求める音楽と体制が求める音楽との乖離に葛藤した悲劇の作曲家」というイメージが作られています。
音楽から離れますが、今のウクライナに対するプーチンの残虐性はスターリンと重なります。スターリン政権下、ウクライナ人から食糧を奪って大量虐殺(大量餓死)させたホロドモール、その時の名目が「非ナチ化」であったことも、共通するところがあります。
歴史的に、独裁者が倒れるときは、自分で起こした戦争が原因のケースが多いそうです。
ウクライナへの攻撃が長期化しないことを祈るばかりです。