釋超空のうた (もと電子回路技術者による独断的感想)

文系とは無縁の、独断と偏見による感想と連想と迷想!!

及び釋超空のうたとは無縁の無駄話

38. 『雨霽(は)れて・・・』

2011-09-01 08:40:03 | 釋超空の短歌
『   雨霽(は)れて、
  山の木草の うち白(しら)む
    このも かのもに
     見覚えのある   』
***
はるか遠い昔だったか、いや、たった先刻だったか
私は薄暗い靄(もや)の中で舟に乗っていたような気がする。
岸が音もなく、ぼんやりと遠ざかっていったような気もする。

混濁した意識が次第に透明になりはじめたようだ。

気がつくと私は草むらに横たわっていた。
周りの景色は永遠の薄明かりに霞(かす)んでいるようだ。

私は立ち上がった。なんの重力も感じなかった。

ふと向こうを見ると、私の懐かしい『生きものたちが』が私に向かって駆けてきた。

『おお、おまえたちも来たか』
『あれから、ちっとも変わっていないじゃあないか』

『生きものたち』は私の周りに跳ねとび私に跳びついた。
かって、いつでもそうだったように。

『さぁ、一緒に行こう』

『さぁ、永遠の静寂へと一緒に行こう』