『 雨霽(は)れて、
山の木草の うち白(しら)む
このも かのもに
見覚えのある 』
***
はるか遠い昔だったか、いや、たった先刻だったか
私は薄暗い靄(もや)の中で舟に乗っていたような気がする。
岸が音もなく、ぼんやりと遠ざかっていったような気もする。
混濁した意識が次第に透明になりはじめたようだ。
気がつくと私は草むらに横たわっていた。
周りの景色は永遠の薄明かりに霞(かす)んでいるようだ。
私は立ち上がった。なんの重力も感じなかった。
ふと向こうを見ると、私の懐かしい『生きものたちが』が私に向かって駆けてきた。
『おお、おまえたちも来たか』
『あれから、ちっとも変わっていないじゃあないか』
『生きものたち』は私の周りに跳ねとび私に跳びついた。
かって、いつでもそうだったように。
『さぁ、一緒に行こう』
『さぁ、永遠の静寂へと一緒に行こう』
山の木草の うち白(しら)む
このも かのもに
見覚えのある 』
***
はるか遠い昔だったか、いや、たった先刻だったか
私は薄暗い靄(もや)の中で舟に乗っていたような気がする。
岸が音もなく、ぼんやりと遠ざかっていったような気もする。
混濁した意識が次第に透明になりはじめたようだ。
気がつくと私は草むらに横たわっていた。
周りの景色は永遠の薄明かりに霞(かす)んでいるようだ。
私は立ち上がった。なんの重力も感じなかった。
ふと向こうを見ると、私の懐かしい『生きものたちが』が私に向かって駆けてきた。
『おお、おまえたちも来たか』
『あれから、ちっとも変わっていないじゃあないか』
『生きものたち』は私の周りに跳ねとび私に跳びついた。
かって、いつでもそうだったように。
『さぁ、一緒に行こう』
『さぁ、永遠の静寂へと一緒に行こう』