子供の頃、北海道土産で頂いたトラピストバター飴、ミルクの香りと甘さ、そして広大な北海道のイメージが今でも思い出される北海道の定番土産だ。この飴、北海道のミルクを使用していて修道院で作っていると記憶していた。
長い間、私の中では修道院といえばチャペルでお祈りをする修道女の姿、彼女たちが日課で乳牛の乳搾りをしてバター飴を作っていると思っていた。いつの間にかトラピスト=修道女が修行をする修道院で、トラピストバター飴はそこで作られていると信じていた。
毎年北海道を旅する様になったある日、函館の周辺を観光しているときに偶然、修道院の看板があり観光バスが入っていくのを目撃した。あ、トラピスト修道院かなとバスに続いて駐車場に車を停めた。函館にある修道院といえば、私の中ではトラピストバター飴しか頭に浮かばなかった。いそいそとトラピストバター飴を購入すべく修道院の売店に入るとクッキーが売られておりそこにはバター飴はいくら探しても無かった。そして訪れた修道院はトラピスチヌ修道院でシスターたちが作っているのはクッキー、トラピスト修道院では無かった。
そこで改めてトラピスト修道院を調べて訪ねてみた。トラピスト修道院は男性の修道士が労働と祈りの日々を送る場、ポプラ並木の入り口を入ると修道院の建物があり小さな売店に確かにトラピストバター飴が売られていた。見学は申し込みが必要で男性のみとのこと。かくして、ジジイになるまで何十年も信じていたシスターの搾乳したミルクから作られた優しいミルク飴のイメージは粉砕された。
トラピスチヌ修道院の入り口
ポプラ並木の先にトラピスト修道院の入り口がある
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