BOLT MP5A4 Tacticalへのカスタム施工の様子をお伝えします。
BOLT MP5のチャンバーはマルイスタンダード電動ガンのAK47シリーズに似た構造のレバー調整式HOPが採用されています。
でもノズルの長さはMP5シリーズに近く基本的にはマルイ電動ガンのどの機種とも互換性がありません。まあ甥っ子ぐらいには似てると思いますが・・・
ただこの”甥っ子”ちょっとお勉強が苦手みたいで通知表(弾速計)の内容が良くありませんでした。0.2g弾ゼロHOP時(画像左)に対して0.28g弾HOP適正時(画像右)のパワーが半分程度しかなく、当然弾道もヒョロヒョロで今一つの性能です。
その原因はここ、チャンバーにノズルを差し込んでも中のパッキンに殆ど当たっている感触がありません。気密が弱くエアーがダダ洩れしてしまうので設計通りの性能が発揮できていないようです。
こんな時はチャンバーカラーを組み込みます(そうでない時も電動ガンにはだいたい施工していますが)。このカラーはチャンバー構造を補強する私のオリジナルパーツで、流速カスタムで発生する高い圧力下でもパッキンの変形を抑える効果があり、今回はそれに加えてノズルとの相性を補正する役目も持たしてあります。
そしてノズルにも一工夫してあります。ノーマルのノズル内径は〇なんですが、これは■に見えますよね? 前出の気密強化を行うと弾詰まりの時に圧縮されたエアーの逃げ場がなくなりピストンクラッシュの確率が高くなってしまいますので、この加工でBB弾が完全にノズルを塞ぐのを防いで最悪の状態でもある程度のピストンスピードを確保しています。
気密関連の施工が終わったらバレルの加工に入ります。バレル基部のHOP用の開口部を拡大する事でパッキンの作動領域やBB弾との接触面積を増やすこの加工も私のカスタムでは定番の作業になっています。
そしてバレルの短縮化は最小限のスプリング強化で最良の性能を発揮できるか否か、チューナーの技量やノウハウが問われる加工です。
残すバレルの長さは想定されるHOPの摩擦度合いやシリンダー容量、気密性能によって予めベストな長さを設定する必要があり、間違ってもパワーの帳尻合わせにちょこちょこカットするようなものではありません。
テーパー加工はアウターバレルがインナーバレルに重なる今回のような場合は乱流の影響をあまり考慮する必要はありませんが、直に射出エアーが大気放出されるような場合には整流のために長めに入れたりもします。
すべての作業が終わったら最後にコンプレッションテストを行います。バレル先端を塞いだ状態でバレルからシリンダーまでの経路をつないでピストンを加圧、この状態で反発力を感じるくらいにエアーが漏れなければ流速カスタムの高い射出力にも対応できる気密性能が確保できたと言えます。
ダダ漏れのセッティングを補うためにシリンダー容量を増すよりも、漏れないセッティングでより低負荷な流速カスタムを目指すのが私のチャンバーセッティングなのです。
以上、BOLT MP5A4 Tacticalへのカスタム施工の様子をお伝えしました。