ハネっちのミリブロ?

エアガンはyahooオークションでもyukichi10500のIDで出品していますので併せてご覧頂ければ幸いです。

サイレンサーの効果

2021-04-02 15:33:15 | 実験&考察(エアガン)

サイレンサーと言えば映画に出てくる特殊部隊の定番アイテム、歩哨を音もなく倒しながら作戦を遂行する様子は戦いのプロといった感じです。そんなサイレンサーをエアソフトガンに取り付けるとどうなるのか?今回はその効果について調べてみたいと思います。

*判定は室内で銃口から約50cm側方に離れた位置に置いた音圧計と私の主観(耳)で行っています。

 

1、フィクスドスライドガスガン

エアガンで一番サイレンサーが似合うジャンルと言えばこれ、ガスブローバックが全盛の現代では少数派となってしまったスライド固定式のガスガンですが、可動部が少ないことでサイレンサーによる消音効果が最も高く、高い命中精度やパワーと併せてサバゲーサイドアームとしての実用性は今でも衰えることがありません。

計測に使用したのはウェスタンアームズのS&W M6906をベースにした私のカスタムガンです。M14正ネジ&逆ネジ仕様のサイレンサーが装着でき、使用するサイレンサーも消音材を変更することで効果を高めてあり(-1㏈)、コンパクトながらもマルイSOCOM Mk.22に並ぶスペックを持っています。パワーはマガジン表面温度27.1℃時に0.28g弾で0.76Jでした。

サイレンサーなしでの音圧は94.5J(画像左)、スライド作動のあるブローバックガスガンよりは静かですが「パンっ」という発射音はそれなりに耳につきます。

そしてサイレンサーを装着すると-2.9㏈下がって91.6㏈(画像右)、発射音は高音域がカッとされた「ボスっ」という音に変わりサイレンサー効果を十分体感することができました。

 

2、スタンダード電動ガン

次はサバイバルゲームでは定番のスタンダード電動ガン、装着用のネジを最初から切ってあるモデルも多いので実際にサイレンサーをつけて戦っているゲーマーも多いかと思います。

計測に使用したのはマルイMP5 A5HGでM14逆ネジ仕様のサイレンサーが取り付けられるモデルです。内部機構には特に手を入れていませんが、サイレンサーはM6906同様に消音材を変更したものを使用しました。パワーは0.72J、0.20g弾HOP適正状態での計測です。

サイレンサーなしの音圧は92㏈(画像左)、スタンダード電動ガンも固定スライドガスガンと同じく外装に可動部がないのでサイレンサーをつけなくても発射音は十分静かです。

サイレンサーを装着すると-0.8㏈の91.2㏈(画像右)、先ほどのM6906に対して音圧の差が少ないのはモーターやギアの作動音が残るからですが、発射音が小さくなってもこのメカノイズが残るので少し耳障りに聞こえてしまいました。

 

次世代電動ガン

続いてブローバックガスガン同様にボルト作動やリコイルギミックが楽しめる次世代電動ガンです。サイレンサーだけでは消しきれない作動音が多いので消音効果はどうしても低くなりますがどんな感じになるでしょうか。

計測に使用したのはマルイSCAR-L CQB、内部機構は基本ノーマルですがモータにはSBDを組み込んであり、ギアもシム調整によりノイズ低減を図ってあります。装着しているサイレンサーはMP5の時と同じものを使い、パワーは0.64J、0.20g弾HOP適正状態での計測です。

サイレンサーなしの音圧は96.4㏈(画像左)、このSCARはピストンスプリングがヘタっていたのでパワーがスタンダード電動ガン並みに低下していますが、新品時はもう少しパワーも発射音も大きくなります(ノーマル次世代電動ガンのスプリングはすぐにヘタってしまうものが多いようです)。

サイレンサーを装着すると-2.4㏈の94.0㏈(画像右)、MP5よりもパワーが低いのに発射音が大きいのはリコイルギミックやダミーボルトの作動音が加わる他に、アッパーレシーバーがメタル製になっているため発射音が反響しやすいことも影響しているようです。

でもその分MP5で気になったメカノイズは聞こえにくく、ダミーボルトの機械的な作動音だけが残る発射音は実銃にサイレンサーをつけた時のようにも聞こえて音質のバランスは悪くなかったです。

 

4、スナイパーライフル

最後はボルトアクション(エアコッキング)式のスナイパーライフル、一撃必殺が求められるスナイパーにとっては発射音がゲームの戦果を左右する重要な要素になります。

計測に使用したのはマルイVSR-10をベースにした私のカスタムガン(パワーカスタム流速γ)で、射程距離と遠距離命中精度を追求した流速仕様のチューニングが施されいます。サイレンサーを標準搭載したGスペックではなく敢えてプロスナイパーモデルで比較を行うのは内部機構で同様の効果を発生させることができるからです。パワーは0.91J、0.30g弾HOP適正状態での計測です。

ノーマルの発射音は92㏈(画像左)、プロスナイパーにはエアブレーキシステムが標準搭載されいるのでサイレンサーがない状態でも十分に静かです。

カスタム施工後の発射音は-2.5㏈下がって89.5㏈(画像右)でした。流速カスタム&チューンと呼ばれる仕様のカスタムガンは発射音が増大するのが一般的ですが、私のVSR-10は同時に静音加工も行っているのでセッティングで大きくなった発射音を相殺して更に小さくなります。音質は低音域から高音までがバランスよく抑えられてノーマルと似たような感じになります。

 

総評

いかがだったでしょうか?サイレンサーをつけでも一律に消音できないのが現実の難し(面白い)ところですが、性能を理解した上で使用すればより効果的な使い方が出来そうです。

フィクスドスライドのM6906は私がゲームで長年愛用するサイドアームで「静かな発射音」には自他ともに定評があり、ゲームでもこの消音性能に何度も窮地を救われたことがあります。

スタンダード電動ガンは元々の発射音がある程度静かで実用性の高いゲームウェポンであることが再確認できましたが、サイレンサーの効果をより引き出すにはギア調整が欠かせないようです。

次世代電動ガンは単純に楽しいです(笑)、どうせ実銃程にはやかましくないんですからこのモデルに関してはそのリコイルやボルト操作を楽しんでみてはいかがでしょうか、もちろん作動をキャンセルしてしまえばぐっと静かになりますがそれじゃせっかくの次世代がもったいないような・・・

そして次世代電動ガンと対照的なのが私がカスタムしたVSR-10、「爆音」が基本の流速カスタムでありながらも他のエアガンに対して一段静かな発射音を実現しています。もちろんサイレンサーを搭載すれば更に小さな発射音になりますが、なくても性能を発揮できるこのスタイルでも悪くはないんじゃないでしょうか。

以上、サイレンサーの効果についてのお話でした。

 


バレルカットは慎重に・・・

2020-05-21 18:50:10 | 実験&考察(エアガン)

エアソフトガン(エアガン)のカスタム手法として定着している流速カスタム・チューンですが、間違った施工方法や理論が定着している場合もあり、今回はその一つをご紹介したいと思います。

*小さな画像をクリックすると大きな画像が見れます🐸

バレルカットとは言葉のとおりバレル(銃身)をカット(切る)することで、一般には流速カスタムを施工した際のパワー調整として弾速計を指標に少しずつ短くしていくのがセオリーとされていますが、これじつは間違った施工方法なんです。
 
もちろんバレルをカットすることでパワーが低下するのは事実ですが、バレルの長さは銃のパワー特性にも大きな影響を与える因子でもあり、気分で切ってしまうと後で後悔することになるかもしれません。 
 
 
こちらは私がカスタム施工した「CYMA M24 パワーカスタム流速β」のパワーを計測したデータですが、0.2g弾をゼロHOPで発射した(画像左)場合に対してピークパワーが発揮されるHOP位置で計測した場合(画像右)はパワーが上昇しています。でもこのまま撃つと弾は空に向かって一直線、HOPが強すぎるから当然の現象です。*このM24は通常のバレルカットとは異なる工法で製作されていますが効果は同等になります。
 
 
続いてこちらは0.25g弾(画像左)0.28g弾(画像中)と0.3g弾(画像右)それぞれにHOP適正時のデータですが、パワーは0.28gHOP適正時にピークを迎えます。言い換えればこのM24は0.28g弾を使用した時にベストなセッティングになっているのです。
 
勿論この特性は偶然にできたものではなく事前に予め予測した数値を割り出しているからこそ発揮できる性能で、0.25g弾にピークパワーを合わせた「パワーカスタムα」や0.30g弾~0.33g弾用の「パワーカスタム流速γ」では、それぞれまた違った数値で作る必要があります。
 
ピークパワーを使用弾の重さに合わせてセッティングするのはより高いパワーを合法的に発生させるためでもあり、0.989Jという限られたパワー制限の中では効率の良いパワー特性であることも性能を高めるのには必要になってくるのです。
 
バレルカットでパワーの帳尻を合わせるメリットは分解の手間が省けることぐらいでしょうか、そんなことのために性能を犠牲にするのではカスタムの名折れ、必要な手間を惜しんでいては高い性能は発揮できません。ひょとすると「流速カスタムは負荷が増えるだけで効果がない」なんて話も、上手くセッティングが出せないヘボチューナーの言い訳なのかもしれません。
 
バレルの長さはいわば”秘伝のタレ”みたいなもので、個々のチューナーが苦労して得た自分の経験や知識から導き出した大事な流速カスタムのレシピなのです。だからこそ切る時は慎重に・・・(笑)