ハネっちのミリブロ?

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高温パワーテスト

2022-07-08 03:45:52 | 実験&考察(エアガン)

そろそろ暑くなってエアコンの季節、そして気になるのがガスガンのパワーです。 ブローバックモデルならスライドの動きが多少良くなるくらいですが、元々がハイパワーな固定スライドで、しかもいじくり回したカスタム仕様などは特に気をつけないといけません。

そんな訳で今回は基本構造が同じでセッティングの異なる2丁のフィクスドスライドガスガンを使って、温度によるパワーの変化を見ていきたいと思います。

↑ まずはウェスタンアームズのM6904をベースにしたカスタムガン(以下、WA)、スライドとグリップを切り詰めたキャリーガンながら高い実射性能を併せ持つ私のお気に入りです。パワー系のカスタムに加えて高温時には不要なパワーの上昇を抑えるリミッター機能も持たせてあります。(画像右のデータです)

↑ そして比較するのはBWCのM6904(以下、BWC)、前述のWA M6904と同じ基本構造ながら高圧ガスを使うために強力なハンマースプリングが組み込まれた海外製のガスガンになります。日本仕様として流通している製品なのですが、その重いトリガープルは昔の”極悪改造ガスガン”を思い出させるフィーリングで何となくヤバい気もしますがどうなるでしょうか・・・(画像左のデータです)

 

↑ という訳でさっそくテストに入ります。まずはエアコンが効いた室温の28℃、温度はマガジンの表面温度を非接触型温度計で計測し、HFC134aガスと0.25gBB弾を使います。

WA M6904カスタム 0.71J/0.25g弾

BWC M6904 0.58J/0.25g弾

WAはこの気温で既に長物電動ガン並みのパワーがあります(0.2g弾換算84.2m/s)、対するBWCは一般的なガスハンドガン並み(0.2g弾換算76.1m/s)で意外と普通でした。

↑ 続いて31℃、これは初夏の気温といったところでしょうか、マガジンを手で温めて計測しました。

WA M6904カスタム 0.80J/0.25g弾

BWC M6904 0.71J/0.25g弾

28℃時に対してWAが111%でBWCは112%と両機種共に同程度の上昇を確認できました。わずか3℃でも違いが出るようです。

 

↑ 次は真夏の屋外を想定した36℃、ちなみに警視庁が示したガイドラインでは35℃以下で0.989Jが上限とされていますのでこの温度で問題がなければ適法品となります。 ヒートガンでマガジンを温めて計測しました。

WA M6904カスタム 0.94J/0.25g弾

BWC M6904 0.88J/0.25g弾

どちらも規制範囲内で問題ないようです。31℃時に対してWAが約117%でBWCは123%と上昇率に少し違いは表れましたが、ここまでは両機種共に気温の上昇に合せて順当にパワーを上げてきています。

 

↑ では更に高い温度ではどうなるのでしょうか。続いては40℃、炎天下に銃を屋外で放置したような状況です。

WA M6904カスタム 0.92J/0.25g弾

BWC M6904 1.02J/0.25g弾

ちょっと面白い結果がでました。BWCは36℃時に対して115%と依然パワーが上がるのに対してWAは逆に97%と少し下がっています。BWCは1Jを超えていますが前述したとおり35℃以下で基準内に収まるのでこの状態でも合法です。

 

↑ 次は炎天下の車内に銃を置き忘れた時を想定した45℃、マガジンを手に持つとかなり熱くなっています。

WA M6904カスタム 0.91J/0.25g弾

BWC M6904 1.12J/0.25g弾

リミッター機能によりガス圧の上昇に合せてバルブの解放面積を抑えるWAのパワーはほぼ横ばいですがBWCはさらにパワーが上昇しました。ただBWCも上昇率は前回40℃から109%と少なくなっていますのでこの辺がピークのようです。

 

↑ 最後は50℃、これ以上は樹脂パーツが変形しそうなので怖くて温められません。マガジンも熱くて素手では持てなくなっています。

WA M6904カスタム 0.91J/0.25g弾

BWC M6904 1.02J/0.25g弾

依然WAはリミッター機能が働いてほぼ横ばい状態、BWCもピークを過ぎて45℃時に対して91%とパワーダウンしてしまいましたのでテストはこの辺で終了です。

 

総評

昔ガスガンを夏の車内に置き忘れて撃てなくなった経験がある方なら納得の結果かと思いますが、気化効率とパワーは必ずしも一致しません。なぜなら高い内圧のバルブを解放するのにはそれに応じた強い打撃力も必要なのですがハンマースプリングを指の力で圧縮するのにはその強度にも限界があるからです。

この特性をレギュレーションや法規に合わせてセッティングしているのが私がカスタムしたWA M6904カスタムであり、常温ではノーマルよりもハイパワーながら高圧時にはバルブの開閉量を抑えてパワーの上昇を抑えることで適法性も両立していることが今回のテストで確認できました。

↑ またBWC M6904についてもこのテストの後で同様の加工を行っています。いくら合法でもMAX1.1Jなんてパワーはやはり気持ちが悪いですから・・・、加工後は高温時でもちゃんと規制内のパワーに収まるようになっていますのでご安心下さい(笑)

以上、高温パワーテストの様子をお伝えしました。