コロナの関係でだいぶん日程が変わったのだけど、METライブビューイング、ようやく再開です。
ほんとはアグリッピーナも見たかったのだけど、なかなか休めなくて。
で、一番見たかったワーグナーの「さまよえるオランダ人」です。
これ、タイトルや音楽だけは以前から知っていたのですが見たことなくて・・・
で、今まで長いオペラが続いたのですが、これは1幕で2時間半とコンパクト。
さて、始まってみたところ、序章はお馴染みのワーグナー節全開でゾクゾクしました。
んで、嵐での船長さんたちがなかなか港に入れないシーンです。
全体的に暗い舞台です。(ま、嵐なんで暗いのは当たり前ですが)
で、出た!オランダ人!腕に抱えてるのが財宝と言ってたけど、金塊か?
で、船長の娘のゼンタの糸つむぎのシーン。
冒頭のシーンでも大きな目の背景があったのですが、これが不気味です。
ゼンタがオランダ人の絵に魅入られている時に見ているのもこの目なので、
これはいろいろなものの象徴だと思われます。
で、糸つむぎのシーンはロープで表現されていて、
「ほお!そんな風に!」というロープの使い方が美しかったです。
最後にオランダ人の合図で一斉にロープがほどけたのがマジックみたいで面白かった
で、オランダ人は一体何歳の設定なのだろうか、、、そして、ゼンタは娘ですよね・・・
ストーリーは、ううううむ。自己犠牲の在り方が悩ましいです。
オランダ人は「救済への憧れ」が愛と思っていいのかと悩むし、
ゼンタは「同情」が自己犠牲への陶酔になっているし。
何だかちょっとずつ「愛」からズレてっていないか、みんな?
と思っていたら、エリック君だけは純粋に愛を貫きました。
途中で、「エリック、頑張れ!」と心の中で叫ぶ私。
GQに記事があり、その内容がまさにそうそう!と思ってしまったのでリンク張ります。
最後、ゼンタはオランダ人に疑われて拒否されたので(そりゃそうだ)
最後は永遠の真心を持っているのだと主張して海に飛び込みますが、愛なのか意地なのか・・・。
「ゼンタ、行っちゃった・・・」
とてもとても現実逃避できた、ワーグナーの音楽にどっぷり浸かった2時間半でございました
演奏も歌もMagnifique!