金魚cafe

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シネマ歌舞伎ヤマトタケル

2013-09-29 22:36:25 | 映画


なかなか歌舞伎を観に足を運べない私に朗報が。

映画館で歌舞伎が観れるというシネマ歌舞伎。

月に一回一週間の期間で上映されています。

今回は四代目猿之助さんの襲名口上ありのスーパー歌舞伎ヤマトタケル。

3代目猿之助さん(今の猿翁さん)がなさってるのをNHKでドキュメントで観たことはあります。

その時は歌舞伎とは江戸時代の風情の芝居が歌舞伎だと思い込んでいたのでこれも歌舞伎なのかなと凄く衝撃を受けたのは覚えています。

それから歌舞伎にご縁がなくてチーム申としての猿之助さんを拝見してまた歌舞伎に親近感を持つようになった私です。

上映が一日2回でえっなぜ?と思ったら休憩時間入れて4時間の長丁場で2回しか上映できないのも仕方ないかと。

4時間の上映で休憩が3回ありまして休憩時間に蔵友さんにお会いできたという嬉しい偶然もありました。^^

まず猿之助さんの口上から始まって、猿之助さんの横には市川中車を襲名なさった香川さん。

猿之助さんはいつも通りの立て板に水のごとしのスラスラと口上をのべられたあとの中車さんはかなり緊張なさった様子でした。

現代劇ならもう主役を食うぐらいの存在感なのにやはり重圧があるのでしょうか。

ストーリーは日本書紀に書かれたヤマトタケルのクマソを制圧し、エゾを制圧した帰りに伊吹山での戦いで病に倒れ大和に帰る途中で亡くなり白鳥になり空に飛んでいくあのままです。

わかりやすいお話で歌舞伎を初めて見る人には入りやすいと思いました。

ヤマトタケルと悲劇のヒーローではなく父に認められたいとそれだけのために戦っている、いくら戦で功績をあげても父は息子を恐れ遠ざけ息子は戦うことでしか父に認められる方法がない。

そして今度はヤマトタケル自身が父となり、会えない子どもに思いを寄せる。

そんな人間ドラマとヤマトタケルに惹かれる女性とのロマンス、迫力ある戦のシーン、衣装の美しさと最初から最後まで目が離せない舞台でした。

猿之助さんの早変わり、殺陣と舞踊がミックスされた戦のシーンは一瞬のミスが大けがをするかもとハラハラさせられるほど激しく息も乱さずセリフも言わなくてはいけない。

観ている私たちの4時間もハードですが出ずっぱりの猿之助さんはもっとハードですよね。

舞台と違い映画ですので表情もアップされるのですが、猿之助さんは汗もかかずこれだけのことをなさってる、ホントに凄い方です。

ヤマトタケルが鳥になって天に帰っていく宙吊りで本当に羽ばたくように上がって行くところは高所恐怖症の私には絶対無理~~。

最後のカーテンコールでは猿翁さんも登場されて大きな拍手がわきおこり、隣に立っている中車さんの感無量の表情。

やっと一緒に舞台に立てたという気持ちだったのでしょうか。

そんなお父様とおじい様をみつめる息子の團子くんが愛らしく堂々とされていて将来楽しみです。

最初は生で観るのに限ると思っていました。

シネマ歌舞伎でもその舞台の雰囲気は充分つたわりました。

こういう形でお芝居を観るというのもいいものです。