金魚cafe

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松本清張時代劇ミステリー「逃亡」

2015-07-20 21:48:04 | ドラマ
佐渡島というと今はトキというイメージですが、昔は悪いことをしたら佐渡の金山で働かせるため島流しの刑っていうので有名でした。

それもとてもハードなところで一度行ったら生きて帰ってこれぬというのが時代劇の設定です。

なので時代劇のドラマでは佐渡島帰りの人物というのはそんなハードな中で無事刑期を終えて生還した人はすごいということで「アニキ~~。」とか「親分~。」とその筋の方々から一目置かれるわけです。

生きて帰れぬ佐渡島を脱走しようという今回ミステリー、佐渡の金山で働くのは罪人ばかりかと思っておりましたらそれでは人手不足ということで無宿人まで引っ張ってきて無理やり働かせていたのです。

無宿人というのは江戸時代人別帳(戸籍のようなもの)に載っていない人たちです。

今でも戸籍がないと大変なことですがそれは江戸時代でも同じようです。

今回の主人公吉助は無宿人だっただけで佐渡島で無理やり働かされて、仲の良かったとっつあんこと宗七は差配人の久三に休む間もなく働かされて過労死、とっつあんを故郷で葬ってあげたいがためにこんなところを逃げ出してやる~と考えるようになりました。

差配人とはいえ久三も無宿人、そして彼らを監視する武士たちも佐渡島で勤番ということは左遷されたようなものでしょう。

江戸時代武士のエリートコースは長崎行きですから佐渡島では皆希望もなく下の者たちに当たり散らすことでうっぷん晴らしをしているようです。

そんなとばっちりを食らった吉助は仲間の新平たちと脱走を試みます。

島から抜け出すには船がいる、その船を漕げるのは漁師の息子の吉助だけ。

自分が助かりたいため、船に乗りたいために互いの仲間を裏切るというサバイバル、強い意志が必要になります。

やっぱり佐渡島から生きて帰ってこれた人は「アニキ~。」と一目置かれるほどすごいのかもしれません。

江戸時代はトキは普通に飛んでいたそうです、乱獲により絶滅危惧されておりますがトキはこの様子を見ていたのでしょか?

水先案内人の蔵之介さん、ダークスーツでネクタイが和っぽい。

今舞台の真っ最中なのでナレーションもかなり前に撮られたものですね。