金魚cafe

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桃ノ木坂互助会

2015-10-03 00:43:58 | 読んだ本
川瀬七緒著 徳間書店

本の表紙がアップできなかったのですが、色とりどりの野菜を家に見立てた可愛い表紙で桃ノ木と題名なので可愛らしい内容なのかなあと思ったら違いました。

川瀬センセーは昆虫学者を主人公にしたミステリーを書かれていてそれが昆虫の生態を詳しく描きすぎていてちょっとグロテスクな描写もあるのです。

そのセンセーがカワイイ表紙の本だからといってほのぼのしたストーリーなわけがなかったのでした。

横浜埠頭の近くの桃ノ木坂町の町内に住む光太郎、清司、と紅一点の菊美は幼馴染の70代。

ずっと生まれ育ったこの街も古い家が取り壊されてマンションになったり、新しい住人が入ってきたりで昔の風情がなくなって古い住人と新しい住人とのトラブルも起こってると嘆いています。

昔から住んでいる老人が有志であつまって桃ノ木互助会というのを結成して町の清掃や登校下校のの見守りなど活動していますが、それは表の顔で実は裏では町内の面倒な人たちを必殺仕事人のごとく退治していました。

こう書いたらよく似た「3匹の~~」というのもありますが、あちらはスカッと勧善懲悪で爽快感があります。

こちらはキヨ、シゲ、ノリのおっさんよりも10歳上なのであんなに若者相手に腕っぷしでは勝てません。

ゴミを不法に捨てる人や町内のお店でトラブルを起こす人、老人、子供を威嚇するような警察のお世話になるところまではいかないけれど悪の芽は早く摘むに限ると法律スレスレの嫌がらせをして町から出ていかせているのです。

80歳の老人が経営しているアパートの家賃を踏み倒して乱暴する男性が次のターゲット。

いつものように退治してくれようとしたらなぜか上手くいかず反対に脅される始末。

そして別の人間が怪しい動きをしている。

何が何だかわからず警察にまで嫌がらせはやめなさいと怒られて何かがおかしいと桃ノ木互助会はさぐろうとするのですが。

自分たちが生まれ育ったところが再開発のため町の面影が無くなってしまう。

一番の寂しいのはやっぱり人なんでしょうね。

生まれた時から知ってる人たちだと何も言わなくても何を考えているかとかわかるわけですが、新しく越してきた人たちとのコミュニケーションが取れない。

新しく越してきた人も何年かしたら古い住人になるわけでまたコミュニケーションで悩むのだろうなあと。

いざという時は皆さん協力しないといけないんでコミュニケーションは大事ですね。^^