金魚cafe

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桜ほうさら

2015-10-25 23:04:21 | 読んだ本
宮部みゆき著 株式会社PHP研究所

NHKでぼんくら2が始まり観る楽しみができました。

感想はまた書けたらいいなあと思います。

深川の富勘長屋で写本作りで暮らしている古橋笙之介、彼は上総の国搗根藩の小納戸役の次男坊。

母の関心は出来が良いといわれる兄勝之介に向けられていますがそれでも優しい父がいたので幸せでした。

ところが父が身に覚えのない賄賂の疑いをかけられ証明しようにも本人の筆跡の証文が突きつけられては弁解もできず切腹、お家は断絶のピンチ。

父は罠にはめられた原因は江戸にあるということで父の疑いをはらすよう密命を受けて貧乏で薪が買えない住人が塀まで焚きつけにしてしまう丸見えの長屋で暮らすようになりました。

それでもそこから見える一本の桜を眺めるのが楽しみというのんびりした気性で長屋の人たちとも仲良く暮らしています。

その桜の下にたたずむ仕立て屋の和田屋の和香という女性に心惹かれます。

宮部センセーは何不自由ないお嬢さんに試練を与えなくちゃいけないと思ってらっしゃるのか和香さんには人前に出られない理由があり笙之介との恋もなかなか進展しません。

そしてお得意のもつれにもつれた糸を解きほぐして真相にせまっていく。

兄勝之介は母の期待に添うように必死な自分に比べてのんびりしていて父親と長屋の皆から愛されてる弟がうらやましかったのではないだろかと。

兄弟でも平行線のまま、いつかはわかり合えるといいのですが、古橋家が望むような結果にはならなかったけれど桜の木を眺めて楽しめる幸せはつかめたのかなあと思いました。

宮部センセーの小説を読むと毎日元気に働けて美味しくご飯をいただけたらそれが一番幸せなのだとそんな気がいたします。