金魚cafe

こちらにお立ち寄りくださってありがとうございます。
ぼちぼちのんびりと綴っております。

第七回三喬三昧 松竹座

2016-10-30 22:07:14 | 落語
いつもは御堂筋の御堂会館でされていた独演会。

イチョウ並木の色づくのを眺めながら歩いて行っておりました。


今回は難波駅からすぐそこにある松竹座。

なぜ?と思いましたら来年に三喬さんのお亡くなりになった師匠のお名前「笑福亭松喬」を来年襲名されるため三喬としては今回で最後だからということでした。

最初に拝見したときからもう何年経ったことでしょうか。

「あっ、この人の落語が良い」と思いせっせと通えるときは聴きに行きました。

その時は師匠の松喬さんがお若くて三喬さんとそんなにお年が離れていなかったのでこんなに早く襲名するなんて思いませんでした。

でもお亡くなりになってしまわれたのでいつかはそうなるのかなと思ったりもしました。

花道のあるところで落語を聴くというのも新鮮な感じがしました。

まず「道具屋」からまくらで師匠に弟子入りするときのきっかけになったこの話と師匠とのの思い出話がまくらでお話されました。

「道具屋」というの笑福亭一門で一番最初に教えていただくそうで若手の方が最初に出てこられたときにこのネタを聴きます。

それをされるとこんなに面白いのかと思うほど笑いました。

若手の人と何が違うのだろうなあと考えるのですがそれは腕の差ということでしょうか。

シンプルだから余計に実力がわかるということなのでしょうか。

「素徳院」これは好きな話で内容はわかっていても同じところで笑ってしまう。

ご近所でなにかあれば頼まれごとをしやすい大工の熊さんが出入り先の若旦那の名も知らぬ思い人を探すための悲喜こもごもで今ならメールでなどとすぐ連絡も取れるのですが昔はそんな便利なものがありませんから探すのは大変。

百人一首の「瀬をはやみ~~」もこれで覚えたようなものです。

最後は大ネタの「らくだ」。

これは今年の一月松竹座で愛之助さんと中車さんで歌舞伎でも演じられました。

らくだと呼ばれる男、長屋の家賃は払わない、買い物しても踏み倒すと近所の鼻つまみ者。

そんな男が自分で料理したフグにあたって亡くなりました。

そのらくだの兄貴分という「やたけたの熊」という男が通りがかった紙くず屋の久六を引っ張りこんで長屋の連中から香典や酒を持って来いと無理難題。

みんなは今まで散々迷惑をかけられたのだから当然NOといいます。

すると熊さんがらくだに「かんかんのう」を踊らせるというのです。

亡くなったらくださんを肩に担いで踊る「かんかんのう」長屋のみなさん腰をぬかして香典とお酒を届けにきます。


この場面は唄と踊りの素養がないと上手くできないのではないかと。

だから皆さん落語以外にも舞踊や鳴り物のお稽古をされるのですね。


そしてらくださんの供養にと二人で酒盛りを始めるのですがまあとんでもないことになります。

松喬さんはお酒が好きな方でしたのでこのシーンは豪快でおおらかでとても楽しそうに演じてらっしゃいました。

三喬さんはお酒は下戸とお聞きしました。

それでもこのらくださんの供養に酒盛りするシーンは師匠に似てらっしゃると思いました。

師匠からお客様の前で自然体であれと教えられたとおっしゃていた三喬さん。

来年の今頃松竹座で襲名披露が行われるそうで東京、上方の方々集合したお披露目楽しみにしております。