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猿翁アーカイブにみる三代目市川猿之助の世界(2)

2016-10-01 23:26:40 | 古典芸能
日にちが空いてしまいましたが、続きです。

プログラムに1(三代目猿之助と春秋座)市川右近さんと京都造形芸術大学理事長徳山豊さんの対談。

      2(三代目猿之助の仕事)脚本家の石川耕士さん。

      3(三代目猿之助の功績~スーパー歌舞伎)四代目市川猿之助
となります。

こんなにがっつり中身の濃いものだとは私は思っておりませんでした。

まず市川右近さんと徳山豊さんとの対談から。

スーツ姿の右近さん、右近さんは関西出身の方なのですがあまりトークを聞いたことがありませんでした。

柔らかな関西弁で師匠との春秋座についてお話されました。

1992年に猿翁さんが京都造形芸大に講義に来られました。

西洋の芸術の理念を持った大学は数あれど東洋の芸術の理念を持った大学はここしかなかった。

初年度は2週間集中講義で右近さんは師匠のサポートをするために大学に来られました。

でも何を教えればよいかわからなかった。

当時の大学には演劇を教えるコースがなかったのでそこで歌舞伎を教えなければならないのかと初めてなことで教える方も教えられる方も戸惑いがあったようです。

当時の理事長が「人は涙を流すほどの感動をして反省をしてそのときすごい向上心が生まれる」と猿翁さんおっしゃったそうです。

猿翁さんは「僕の持っている歌舞伎感を教えます」と。

まず歌舞伎を見てもらい、それを分解して振りを見せながら演劇方法を教え午後は踊りを教えたそうです。

その前に基礎の基礎でまず着物の着付けから始めました。

着物ってお正月や成人式しか着ないものだったのでそこからでしょうね~~。

生徒さんは日本画を専攻しておられる方々で共通していることはまず真似してみる。

デッサンから始めるのと共通しているなあというのが右近さんの感じたことだったそうです。

分野は違うけれど教え、逆に教えられとお互いに得られるものがあったと。

最初は学生さんも熱心ではなかったけれども猿翁さんの熱心さにのめりこんでいったと。

ここで貴重な大学で「連獅子」を素踊りで踊っておられる映像が見れました。

獅子のたてがみも付けていないのにその迫力に圧倒されました。

三代目市川猿之助さんの踊るところを初めて観たのでこんなに柔らかく力強く踊られる方なのだと。

当時の様子を懐かしそうにお話される右近さん、猿翁さんに対する思いの強さが伝わってきました。

京都造形芸術大学さんでは猿翁さんに講義を依頼したときから春秋座の建設の構想があったそうです。

猿翁さんの歌舞伎ができる劇場ということでこんな立派なものができたのですね~~。

コンセプトは「お客様と演じ手が一体感となる距離感」 確かに観やすいし、席もゆったりしてるし本当に考えられてるなあといつもこちらに来させていただいたとき感じます。

あと長い時間観劇を観る人間からいたしますととってもありがたいのはお手洗いの数が多くてそんなに並ばなくてもいいということです。
そしてお化粧直しできるスペースもゆったりしてなんていうか安心して観れます。

あと第二、第三と続きます。

また次回に。^^


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