詐欺に遭った経験があるのだが、その詐欺師の主たる特徴の1つに、逆張り というのが
あった。一般常識、一般教養と逆のことを言う。歴史の中で築き上げられてきた叡智や
科学をちゃぶ台返しして場外ホームランを打つことで、自分を凡人から超越した存在だと印象づける。
go against the norm go in the opposite direction
めくら凡人と違って我は偉大な悟り人なり
常識が通用しない
人は、騙される人は、当たり前のことを覆すことを平然と言われたら、変性意識に入る。例えば
「借金を返さないといけないというのはあなたの思い込みなんですよ」とか
「時間は過去から未来ではなく、未来から過去に流れているんですよ」とか。
騙されない人なら、「なに言ってるのこの人」と一蹴し、興味をもって聴こうとしないだろう。
常識(小学生レベルの理科や、誰もが知っている科学の法則、自明の論理、歴史など)に反したことを
言い、「自分は真実に辿り着いていて、(当たり前の常識を言ってる)奴らはなにもわかっちゃいない
めくらだ」と見下して斬り捨てる。自分以外の一般人をくさして、自分を超越者として上げる。
勿論その逆張りは嘘で、一般教養が正しい。自明の教養になっていることは、歴史とともに
研磨されてきた叡智であり、これを正当に評価し敬意をもつべきだと学んだ。
そしてその詐欺師の人は、さんざん逆張りをキメていたのに、その場の自分の都合しだいで
一般常識を言ってきて、前言ってたことと180°違うので狐につままれたような気持ちになる。
その場その場を出まかせで凌いで人を騙しているだけだった。後で知ったのだけど
その人は詐欺師として悪評高い人で、みんな知っていた。私ともう1人の被害者以外…
めくらの凡人を超越した存在だとしてふるまっていたが、実際には凡人以下で
知識も能力も人格も著しく酷いものだった。だから誰からも相手にされずに孤立していた。
その人にとても似ている人がいて、徳島大学名誉教授の大橋眞という人である。
すごく似てる。彼は、まともな科学者たちからは相手にされず痴呆症だと言われている。
その詐欺師の人も、彼を知る人たちはみな「頭おかしい」「関わってはいけない」と言っていた。
彼はよくある詐欺師のキラキラしたうさんくささと違って、あの教授のように、無我無欲そうな
悟ったような佇まいで、仙人っぽい暮らしぶりを色々と言って聴かせていた。
でも全部、嘘だった… そしてそれは目くらましの手口で、実際には異常に金と権力と名誉欲と嫉妬心が
強い人だった。その無欲そうな風貌を見て、最初から見抜く人はあまりいないだろう(と私は思っていた)。
ガンジーが金と自己顕示欲の塊に見えないでしょう? 一見真逆な風貌で目を欺きながら
お金に異常に執着して、自分の正体を知らない人をターゲットにしてお金を騙し取っている人だった。
その人の悪質なペテン師ぶりを知る年配男性などは、「1分しゃべれば荒唐無稽だとわかる」と言い
あの風貌も「見るからにうさんくさい」と言ったし、他の中年男性も、「ちょっと話せばわかるやん」
「あの人有名よ(悪い意味で)」と言った。あの人にひっかかる男性はあまりいなくて、すぐに
「おかしい人」認定してシャッターを下ろして関わらないそうだ。彼は女性や老人ばかりを狙うそうで、
私ともう1人の被害女性は、マハトマ・ガンジーみたいに素朴で無我無欲そうな彼を
詐欺師だと見抜けずに、「荒唐無稽」につきあわされて、お金を搾取され続けたしだいである。
本当に哀しい。悔しい。 (関連:違和感の取り扱い)