かつて詐欺被害に遭った体験から、回想しています。騙して搾取した人は
自分のことを信じさせるために、私達に色々な心理操作をしてきました。
とても高尚高邁な理念哲学をいつも語りました。でも私達はそれと彼自身の言動との矛盾を
しばしば感じていたし、彼が情熱的に語る真理には、それと矛盾する反例Counterexample
がありそれが頭によぎっても、それを黙って引っ込めていました。
諺には殆ど全て、反対の意味の諺があります。真理は1つではなくて複数あるのに、彼が
力強く語った1つの真理ー金言ぶったものーを立てて、それと相対する真理については
引っ込めていました。
今思うと、複雑で深遠なこの世界において、1つの真理だけを色濃くして主張する人は
正しくないし疑わねばならなかったのです。私が、なぜ反例Counterexampleを
思い浮かんでも引っ込めたかというと、自分でとっさに禁じたように思います。
なぜ禁じたか。水を差すことを言ってはいけない、同調せねばという心理。
彼は今思うと、その心理になるように、色んな操作をしかけていました。
Noと言えないように 自分の言いなりになるように。
世界は複雑であるという真理こそは、色濃く保持するべきことなのに、
彼の高邁ぶって語る1つの真理に追従してしまいました。とても反省しています。
また、人間だから、彼が語る知性的な弁論と、彼自身の情動が違うことは
あるものだと許し続けていました。勿論それはそうなのですが、どこから
「この人おかしい」と認定するのかは、未だにわかりません。 違和感の取り扱い
しかも、彼が言う真理の反例Counterexampleは、他でもない彼自身がそれを体現
していました。彼の言うことが正しくないことを、彼自身が証明していました。
それでも詐欺師認定せずに、ずっとカモにされ続けて、本当にばかでした。
今思うと、彼の言うことは矛盾だらけで支離滅裂だったんです。
私はその人といて、今思うと全然楽しくなかったのですが、(当然です。お金を
払っている私達の希望はことごとく無視されて、すべて彼の主張する通りに
言いなりになっていたのだから。)その気持ちも押し込めていました。
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世界は複雑で深遠だということを、かたときも忘れずにいれば、今後
ああいう詐欺には気づくようになるでしょう。