人生の階段ー日々の詩に託してー

ある老婆の日々ーー

食事会の風景

2018年06月02日 | 日記

我が家では週に一度

気心の合った友と食事会をします。

そしてある日

仲間ではあるけれど、たまにしか来ない友が

「何か作るから」と

材料を持ってきて台所に入り

やがて5人分のスパゲッティを皿に盛って現れました。

わあ、いつもと違ってきれいだね

とか

おいしい、とか歓声が上がりました。

そしてーー

10分もしないうちに

みんな食べ終わってしまったのです・・・

それだけです。

あっけないのです。

パーティって、わいわいと食事を長く楽しむものですね。

彼女はとても素晴らしい人なのですが

残念なことに

「食事会の醍醐味はどこにあるか」を

あまり経験していなくて

「家族が毎日夕食に食べるだろうもの」を

上手に作ったのでした。

だから「わいわい」がなかったのです。

いつもは下手な者たちが

ああでもない、こうでもないと

わいわい言いながら

お好み焼きとか鍋物とか

失敗を楽しんだりしながら

最後はコーヒーで終わるのでした。

この食事会ではみな笑い転げていますが

上手なだけの一品料理を出されて

ごちそうさま、で終わると、

失敗はない代わりに笑いもないのでした。

ささやかな、ささやかな食事会の経験談でした。