昔、小学生の頃
盲腸炎で入院したことがあるのだが
本が好きだった私のために
そのときの担任の先生が
お見舞いに買ってきてくれた数冊の本のなかに
何故か?
いわゆる
ゲームブック
「アルテウスの復讐」
があった
小学生の私にはちょっと難しくて
ルール無視で
死んでも死なない体で読み進めてたけど
何故か捨てられずに
その後長く私の本棚にその本はあった
ところがこの「アルテウスの復讐」は
3冊のシリーズで
アルテウス自体は架空の英雄(候補?)で
テセウスの弟という設定なのだが
シリーズすべて読み込んでいくと
ベースは
テセウスの出生からミノタウロス討伐で
途中にヘラクレスの12の難業をはじめとした
ホメロス的エピソードの数々を挟み
後半はオデュッセイア
トロイア戦争後のオデュッセウスの帰還
を下敷きにしたストーリーに
オルフェウスの地獄遍歴や
イアソンのアルゴー船の航海を混ぜ混んだ
ギリシャ神話のメジャーなエピソードの
豪華絢爛なタペストリー
とも言うべき構成で
後年、また別なきっかけでギリシャ神話に興味をもち
イリアス
オデュッセイア
コロノスのオイディプス
オウィディウスの変身物語
アイスキュロスのアガメムノーン
ヘシオドスの神統記
アリストテレスの詩学
ハリソンの古代芸術と祭式
ブルクハルトのギリシア文化史
エヴスリンのギリシア神話小事典
などを読んだが
その理解を助けてくれたのが
この
ゲームブック
「アルテウスの復讐」とその続編
なのだった
なんかすごいなと思う
ギリシャ神話がわかると
西洋美術館の展示のモチーフがわかる
西洋美術のモチーフは
キリスト教的宗教絵画をのぞけは
そのほとんどはギリシャ・ローマ神話と古代の叙事詩的エピソード 群を
モチーフとしているからだ
ちなみに
宮崎駿
風の谷のナウシカ
の主人公ナウシカは
オデュッセイアの登場人物から
その名をとられているのだ